花言葉は孤独
□エリックの章2 大規模回収
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4人が向かった先は不幸な火災現場だった
休日の昼間、多くの人が集まる商店街
細かく入り組んだ裏路地での火災は、火の回りが早く
多くの犠牲者が出た
大人も子供も、たまたま居合わせただけで巻き込まれたのだ
大勢の魂を一度に駆るのは、それだけで骨の折れる仕事だ
さらに、こういった不幸な事故の場合、自分の死を受け入れられず
シネマティック・レコードが暴れ出すことも多い
お互いのパートナーと死亡予定者リストを確認しながら慎重にひとつずつ回収していく
中には幼い魂もあり気持ちの良い現場ではなかった
「大丈夫か?」
カールに声をかける
「はい、なんとか」
「よし、いいぞ」
一息ついたその時である
背後に嫌な気配を感じた
空間が見る間に黒く染まってゆき、つぎの瞬間悪魔が現れた
たくさんの魂の匂いに引きつけられたのだろう
まずい!!
悪魔の先では、屋根の上に立ったアランが、今まさに魂を回収しようとしていた
「アラン!!!!!」
叫ぶのとほぼ同時に悪魔が襲い掛かる
不意をつかれたアランは、まともに攻撃を受けその場に倒れ込んだ
不安定な屋根の上から転げ落ちる
悪魔は魂に手を伸ばした
「・・・っうあ!!」
アランのうめき声に、思わず走りだした