SMAP応援企画

□木村拓哉さんのCMパロ
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「うっそ……」

泣きじゃくる私に「ほら、鍵」

拓哉は私に鍵を渡した。

「開けて」

「え、なんか手が震える」

震える指には拓哉からのエンゲージリングが。

(間違いないよね、これ、プロポーズだよね)

「しょうがないなあ、優衣」

よっ!という軽い掛け声。
私の体は宙に浮いた。

「わ、わわわ、拓哉」

「ほら、新居なんだから花嫁さんは入ってくんないと!」

「ね、ねえ」

抱きかかえられたまま私はきき返す。

「私って、花嫁?」

「あったりまえじゃん」

ずんずんと進む明るい廊下。そして開放感たっぷりのリビング。
そこには私がいつもカタログを眺めてばかりいたかわいいソファが一揃い置いてあった。

「優衣、好き」

「うん」

私は感動したまんま頷く。

拓哉から降ろされたけど、今度は私から抱きついた。

「こういうの好き」

「こういうのじゃなくて、俺のこと好きかって聞いてんの」

ゴツンッと額があわさる。

「痛い!」

「夢じゃない証拠、ほら」

拓哉に導かれ、私はソファに座った。

隣は拓哉だ。

「ほ、本当にこの家買ったの?」

「うん。優衣が欲しがっていたから。ちょっと頑張った」

「指輪も?」

「優衣が欲しがっていたからちょっと頑張った」

「このソファも?」

「優衣が欲しがっていたからちょっと頑張った!」

「拓哉〜!」

「なあに〜?」

「ありがとー」

「まだ足りなーい」

「す、すっごくありがとー。
私ねー、嬉しい。もうね、ほんとはね、拓哉は私と結婚しないって思ってた。
“ああ、重い、めんどくさい。解散”みたいな」

「なんでだよ」

「だって、付き合い長いもん。長すぎるもん」

「おま、これなら50年でも短いくらい、一緒に暮らすんだろ」

「シワシワじゃん、私」

「シワシワだろうがピチピチだろうが良いんじゃね?ほら、泣くなよ」

「うわあああああん」

私はおいおい泣いた。

「ほら、“シャッター閉めて”」

「はひ?」

拓哉はスマホに向かってなんか言ってる。

ガコーーーッと音がしてシャッターがしまってきた。

「な、なにこれ。全自動?!」

「“シャッター開けて”」

ガコーーーッとシャッターが開く。

「すごいすごい。
台風の時も安全だね!」

私は泣きながらおおはしゃぎになり、頭がパニックになっていた。

「も、もう帰るね」

「待てよ、優衣」

「だって、なんかお腹がいっぱいになっちやった。頭がびっくりして、しゃっくり出ちゃう」

「だめだ」

拓哉はスマホに向かって言う。

「“シャッター閉めて”」

シャッターがすべて閉まり、静寂に包まれる。

「優衣、一緒に暮らそう。
俺とこの家が優衣のスイートホームになるから」

「拓哉あ。ハッピーホームなんじゃないの?」

「甘くて幸せな家ってことだよ、ばか☆」



【終】
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