あなたに見守られる
□真実
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自分の名前を呼んでくれた彼女を
おそ松は涙を流しながらギュッと抱きしめた。
「名無しさんちゃん…!!うぅ…よかった…!!」
「ちょ…おそ松さん…い、痛いです…」
「あっ、ご、ごめん…!」
事故で怪我した傷が痛むようで、名無しさんの言葉におそ松はすぐに彼女の体を解放した。
溢れた涙を拭って、おそ松は少し気恥ずかしそうに頬を染める。
「こちらこそ…ごめんなさい。毎日来てもらってたのに…ずっと無視してしまって…」
名無しさんはそんなおそ松を見ながら、
申し訳なさそうにしながら頭を深々と下げた。
そんな彼女の姿におそ松は驚いた表情を見せた後、いつものようにはははと笑った。
「い、いや〜!これは俺がやりたかったからやってたことだし…それに俺ニートだしね、毎日ここに来ることくらい大したことないよ!!」
「おそ松さん……」
そんなことない。
毎日来てくれていたおそ松の顔は、本当に辛そうだったことを、名無しさんは覚えていた。
自分のことをこんなに心配してくれていたのに
悪いことをしてしまったはずなのに、
おそ松は名無しさんに優しい笑顔を向けていた。
「…また名無しさんちゃんの声が聞けただけで、本当に俺は嬉しいよ」
《真実》