あなたに見守られる
□言葉
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名無しさんの意識が戻ってから1ヶ月が過ぎた。
その間に六つ子達は2人一組になって、交代で毎日名無しさんの面会に行っていた。
しかしその間名無しさんの声を聞いた人は誰1人居なかった。
眠れないのか、日々酷くなる目の下のクマ。
食べる気力もないのか、少しずつ痩せていく体。
名無しさんの状態が日々目に見えて悪くなっていく現状に
六つ子たちは見るのも辛くなっていったのか
面会の時間は少しずつ少なくなっていた。
毎日騒がしかった松野家の居間も、嘘のように静まり返っている。
皆、現実逃避をするかのようにふらふらと出掛けては夜遅くまで帰ってこない日もたくさんあった。
ただ1人を除いて。
《言葉》