あなたに見守られる

□悩むチョロ松
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「あーあの、名無しさんちゃん…」








「あれ、おそ松さんどうしました?」







あんなことがあって次の日。
なぜかボロボロになっているおそ松に声をかけられる。(呼び捨てを直すために5人にボコボコにされた)

名無しさんは特に突っ込むこともなく、気まずそうにするわけでもなく、普通に振り返った。







「あのー…昨日のことなんですけど…」







「昨日?」








おそ松は気まずそうに言葉を濁す。
それに名無しさんはうーんと考え、そしてなにかに気づいたように顔を上げてニコリとほほえんだ。









「あぁ!あれですよね、わかってますよ。おそ松さんは私に元気を出してほしくてあーゆーことしたんですよね?」







「んへぇ?」








「さすが長男さんですね、悩んでたことも少し前向きに考えられるようになりました」







予想外の反応におそ松は情けない声を出す。
なんか自分のやったことが彼女には「告白未遂」ではなく、「元気づける」という解釈になっていたようだ。


本当は告白未遂のほうだったのだがそんなこともしらず彼女はニコニコとお礼を言うのだった。







「でも……軽々しくあんなことしちゃだめですよ?抱きしめるのは本当に好きな人…ですよ!」






「!?」









抱きしめられたことはやっぱり意識しているようで、少し照れて頬を染めながらおそ松を論す。


そんな姿もかわいい…と思ってしまうのは惚れた弱みである。








「それじゃあ、私これからバイトなので」







そういってニコニコしながら名無しさんは家を出て行ってしまった。
情けないがそんな彼女の後ろ姿を自分は黙って見送ることしかできなかった。


そして膝から床に崩れ落ち、頭を抱える。











「あぁー!!そこまでわかってんのになんで肝心なところがわからないんだよ?!」





















《悩むチョロ松》
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