松短編

□勘違いアイドル恋をする
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「じゃあ本番行くよー!」





「「「「おー!!」」」」







「……」







控え室に響く黄色い声。
一緒になって声を出すものの、なんだか自分だけ場違いな気がして居心地が悪い。

元気で明るい仲間たちとは違い、私は内気で引っ込み思案。


そう、私は地下アイドルをしてます。
路上でオファーされアイドルになりました。

元々歌うのが好きだったので…でも今は少し後悔してます。




私はみんなの後に続いてステージへ向かった。
地下アイドルと言っても、最近は案外人気が出てきて、それなりにお客さんが入っている。



…緊張するなぁ。




私はチラッと観客席を見る。
観客席ではファンの人達がたくさん歓声を送ってくれているけど…





「って……え?!あれって…!!」








さっき私を助けてくれた人…?!








そう、席の最前列にはさっき私を助けてくれた人がいた。
緑色のチェックのシャツを着て、への字の口で…間違いない!


しかもペンライトも緑色で、私のイメージカラーだ。







「わ、私のファンだったの…?!」




驚きで目が離せないでいると、リーダーの子が私の元へ向かってきて頭を叩いた。






「ちょっと名無し!ぼーっとしてんな!もう本番だよ!」






「いたっ…す、すみません!!すぐ行きます!」






つ、ついボーッとしちゃった…でも驚くよね?!助けてくれた人が私のファンだなんて…。
…ちょっと嬉しいかも。


でも今はリーダーの言う通り本番前だ!
変な事考えないでちゃんと集中しなきゃ…!






リーダーの喝で我に返った私は
急いで皆が待つステージへと向かった。







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