松短編

□恋占いの行方 前編
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「ん〜〜〜〜……」






私の名前は名無し!
東京で占い師をやっています。
恋占いがかなり当たると評判ですので、よければ皆様もきてくださいね★

で、占い師を初めて一年、私は修行に修行を重ねて、
ついに自分の運命の相手を占うことに挑戦しています!


自分の運命の人を探すべく、水晶に手を当ててじ〜〜〜っと水晶の中心を見つめる。




「!見えた!!」





ぱぁっと瞳が輝きだす。
これが…私の運命の人…!!





「猫、紫、数字4……だめだ…これしか見えない……まーた失敗かあ…」







名無しはだらりと机に突っ伏した。
実はこれで通算10回目の失敗…。

最初は何も見えなかったものの、努力を重ねやっとキーワードまで見えるようになった。


それでもこれだけじゃあどこの誰かもわからない…。




「このままじゃまずい!!田舎へ帰らされちゃう…!!」






そう、実は私、田舎の両親からお見合いの話を持ち出されており、早く帰ってこいと急かされている。
でも私はまだ東京で働きたいし、自由な恋愛がしたい!


だからこそ、占いの力を使って運命の人を探しているのだ。






「これじゃ埒があかない…ちょっと散歩でもして気分転換でもしよ……」








名無しはお店を閉め、いかにも占い師らしい黒のフードを脱ぎ、外へ散歩へ出かけた。








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