松短編

□凛として
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「おいにーちゃん、いまぶつかったよな?」





「は…?いや…ぶつかってないが…」






町の一角で、チンピラのような男に松野家次男、松野カラ松はやってもいない罪について言及されていた。


いつものようにカラ松ガールを探してかっこつながら町を歩いていただけなのに。
今日の運勢はあまりよくないらしい。





カラ松の反省していない態度にチンピラはイラッとしたのか思い切り胸ぐらをつかんだ。









「なっ…!なにをする…離せ!」







「おまえ見てたらすげぇイライラしてきた。ちょっとツラ貸せよ」










さすがカラ松。彼の言動や仕草は男もイライラさせてしまうらしい。
チンピラは胸ぐらをつかみながら強い力で路地裏へとカラ松を誘った。













「!?は、はなせ…」









カラ松は抵抗しようと腕をつかむが、あまりの体格の違いにビクともしない。
もう諦めようとしていたそのとき、バチンッという音と共に自分は地面へと下ろされた。












「いってぇ……てめぇなにすんだ!!」











カラ松は目を疑った。
先ほどまで偉そうにしていたチンピラの腕が一部、強く叩かれたように真っ赤に染まっていた。










「貴様のような奴がいるからこの世の秩序は守られないんだ」








そしてカラ松の前には姿勢正しい女が竹刀を構えて堂々と仁王立ちしてチンピラに立ち向かっていた。













【凛として】
(そしてその女は美しかった)







 
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