あなたに見守られる

□目を覚まして
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「あれ?名無しさんちゃんは??まだ帰ってないの?」




もうすっかり夜も更けてきた頃、
まだバイトから戻らない名無しさんを探し、居間に来たおそ松。


しかしそこには眠そうに床に寝そべっているトド松しかいなかった。





「んー…なんかトト子ちゃん達とご飯食べてくるみたいだよ」







「あ、そうなの。ふーん…」







気だるそうにおそ松の問いに応え、そのままトド松はすやすやと眠ってしまった。
おそ松は少し納得できないような返事をしながら、
寝てしまったトド松にブランケットを掛けて二階に戻っていった。














「いやーすっかり遅くなってしまった…」




スマホで時間を確認すると、0時近く。
にゃーちゃんの家ですっかり盛り上がってしまった。

早く帰らないと心配かけちゃうかな。
少し六つ子達のことを考え、早歩きで家へ向かう。





「でもこの時間帯のこの道って結構こわいなぁ」





帰り道は蛍光灯が光っているが、それでも薄暗く人気が少ない。
ちょっと怖いなと思いながらもなるべく気にしないように道を進む。







「あのー」








「っ?!は、はい…?」








そう思っていると偶然にも背後から男の人に声をかけられる。
名無しさんはビクッと体を震わせながら恐る恐る後ろを向いた。





そこには笑顔の男性が二人立っていた。
こんな時間だからなのか、少し恐怖を感じる。





「いやーちょっと道に迷っちゃってさ…教えて欲しいんだけど」





「あー…わ、わかりました、いいですよ」




こんな時間にどこに行きたいんだろう?と思いつつも、
本当に困ってるなら可哀想だと承諾する。

すると男達は近づいてきて、突然名無しさんの腕を掴んできた。




「?!」





「ごめんね、ちょっとお金出せる?」





男達は先ほどとは違い、にやりと笑った。
そこで騙されたと気づく。

やっぱり怪しい人だった…!!






「おっと、抵抗するとどうなるかわかってるよね?」






「くっ……」





少し抵抗すると小さなナイフを取り出し、名無しさんにチラつかせる。

まじでやられるこれ…!!!
もうここは大人しくお金を出すしか…

名無しさんは抵抗するのを諦め、男二人に頷く。



「わ、わかっ…「お巡りさんこっち!こっちです!」





諦めてお金を出そうとすると、
誰かが警察を連れてきてくれたような声が聞こえた。




「なっ…!やべぇ!逃げんぞ!」




「あ、あぁ…!」




もちろん男達にも聞こえたようで、
焦った様子で私から手を離して逃げていった。



た…助かった……。



わたしは安堵してそのまま地面に座り込む。
警察を呼んでくれた人が私のそばに駆け寄り、座り込む私に手を差し伸べた。



「大丈夫?」





「え…?」









 
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