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□こっそり
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「ね?噛み砕いてみれば案外簡単なんだよ。さっきのワークの問題解いてみて」
「おう!」

ちょこちょこ自分のを進めつつまた教えてを繰り返し、5つ公式を復習したところで今日は切り上げた。

「もうすぐ図書館閉まるし帰ろうか」
「わかった。お前家何処だ?送ってく」
「気にしなくていいよ」

結局押し切られて送ってもらうことになった。

「いやー、マジ助かった。さんきゅー」
「まだ始まったばかりでしょ、こっちも復習になるしちょうど良かった。影山、物分かりいいんだけどなぁ…ノートの取り方かな…?」
「俺ノート取らねえんだよ」
「そこからまずなおそう。これからテスト対策の授業になるだろうし…とにかくしっかりノート取ること!あとでまとめればいいし。」
「…おう!」

程なくして家に着き、ここで別れる。

「ありがとう、影山」
「いや、こちらこそ。またよろしく頼む、若葉」
「うん、また明日」

1日目、なかなか楽しかったかも。

それから2日後の放課後間際

「若葉、今日は部活の一年で勉強する。」
「そう?じゃあ…何ページまで宿題に…」
「だから、若葉にも来て欲しい」
「…え?いや、部外者がいても…」
「俺は若葉に教わりたい」
「それは嬉しいけど…でも」
「影山ーーーー!!!!勉強だああ!!」
「ちょっと、騒がないでよ。僕らまで馬鹿って思われるじゃん」

「…あいつら…、行くぞ」
「え?え?」

腕を掴まれてドアの所で騒いでいる人の前に連れて行かれた。

「うるせえぞ日向ぼけえぇ!!」
「王様も十分うるさいでショ…で、誰その子」
「王様言うな。こいつは若葉。」
「…初めまして、若葉紅葉。影山に少し勉強教えてます。」

「「「…え?影山(王様)に??」」」

「…君すごい人なんだね、王様の面倒見れるなんて」
「??」

互いに自己紹介をしつつ、勉強するところへと移動した。部外者にも関わらず、意外と早く溶け込めてるみたい。
席の関係で初めて影山の隣に座り、もう片方は初対面の日向くんの隣になった。各自勉強道具を出して黙々と進める。影山はやっぱり飲み込みがいいみたいでノートを見つつワークを順調に進めていく。今日は世界史らしい。
日向くんは数学で四苦八苦していた。
向かいの山口くんと月島くんは現代文や化学をしていた。

「…若葉、」
「ん?そこ?そこは…昨日時代背景について話したでしょ?あの時の事件がきっかけで…こうなったの。」
「てことはここは…」
「そうそう。年号覚えといてね。」
「わかった。」

視線を感じて顔を上げると月島くんがじーっと見てきた。

「…なに?何か変だった?」
「別にー?人に教えられるくらいには頭いいんだね、見た目に反して」
「それはどうも。」
「…君って嫌味通じないの?」
「なんのことかなー?私は特進の人と違って"そんなこと"に付き合う余裕ないだけだよー」

にっこり笑いながら言うと、びっくりしたような顔の後少し悔しそうにして自分の課題に向き直った。

「ツッキー、若葉さんのことすごいって思ってたんだね!」
「うるさい山口」
「ごめんツッキー!」
…あれか、月島くんはツンデレなのか?

日向くんの勉強もみつつ影山への指示も忘れずに。いつもより少し騒がしいだけなのに、影山の機嫌は何故か悪いみたい。
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