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□言われたからには
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「紅葉」
「?どうした?笠松」
「…」 ペロッ
「っ!!???」
「口の端、ついてたぞ。」
「いや、言ってくれれば自分で…」
「俺がとった方が早いだろ。それとも…照れてんのか?」
「そ、そんなこと…!!」
「可愛いな、紅葉」
ポンッと頭に手を置いて微笑むと笠松は「飲み物買ってくる」と教室から出ていった。
………………………なんなんだあの笠松は!!!???そもそもあれは笠松なのか!!!????
顔を真っ赤にしたまま紅葉は内心叫んだ。いくら部活休みの放課後、教室で二人きりだからといってあんな大胆なことを、手を繋ぐのですら精一杯な笠松が、…と。
「…かっこいいなぁ。」
顔を赤くして机に突っ伏した紅葉はポツリと呟いた。
アイスも食べ終えても笠松は帰ってこず、様子を見に行こうかと腰をあげた紅葉だった。