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□苦手なやつ
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「おはよう、今日も清々しいくらい目障りだねえ」
「おはよう月島、相変わらずみみっちいちょっかいアリガトウ。そんなに挨拶だけじゃ物足りなかったのか?」
「いつも思うけど本当におめでたい頭してるね、どこから湧いてくるのその自信?鏡見てきなよ」
「その言葉そっくりそのまま返すよ、ヘッドフォン首にかけてかっこいいとでも??自意識過剰なんじゃない??」

傍から見れば朝から喧嘩しているようだが、このクラスでこの二人に限ってはこれが普通。周りもチラ見してそのまま前に向き直る。彼らにとっては挨拶のようなものだ。

「おはよう、若葉さん!」
「山口、おはよう。」

一通り争いが終わったところで山口が爽やかに終止符を打つ。
不敵な笑みのまま若葉紅葉は山口に向き直り、月島は紅葉に興味をなくしたように自分の席に座る。

「相変わらず二人とも仲良しだよね!」
「そう見える?やっぱり強者だな、山口は。」
「?」
「いいやつだってことだよ。褒め言葉」
「そっか!」
「(…癒しか)」

見た目と悪口のセンスは最高な月島とこれだけ絡んでいれば女子から嫉妬の対象になりそうだが、紅葉もかなりの黒髪美人で月島と並ぶほど人気も高い。

「若葉さん、教えてほしいところがあるんだけど…」
「?どこ?教えられる範囲なら喜んで」
「ほ、ほんと!?」

そういいつつ頬を染めた女子が寄ってきた。分かりやすく教えている紅葉を横目に月島は外を眺めた。

いつも通り時が過ぎ、互いに茶々を入れあいながら一日が終わろうとしていた。
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