S.S.Rockman AnotherU−Vanish Pleiades−

□第10章 S.S.S.
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「ブライと反電波体の衝突を確認したわ」


「ヨイリー博士! スバル君の……ロックマンの残留電波の解析はまだ終わらないんですか!?」


焦ったところで何も進展しないということは分かっている。


それでも、ミソラは体中を駆け巡る負の感情を押さえ付けることができずに焦燥を乗せた声だけが先行してしまう。


「……あと少しよ!」


「……スバル君……!」


ミソラはただ祈ることしか出来ない自分に苛立ち、何度も挫けそうになる。



……私なんて。



ハープが居ないと。


スバル君が居ないと。


ロックマンが居ないと。


……みんなが居ないと。



…………何も出来ない。


ちっぽけな存在。






――――――そんなことないよ!――――――







…………って、言うんだろうなあスバル君ならきっと。




孤独だった私に、スバル君は教えてくれた。



キズナの強さを。


ココロの温かさを。




…………そうだよね。



私たちはいつだって、ブラザーバンドで繋がってるんだ。



見えないけど確かにある、キズナの糸で。



なら私も、最後の最後まで諦めない。



キズナの糸を弦に換えて。



私のやり方で。



私の色を、声を、歌を、全てを!



希望に変えて、スバル君に……みんなに……届けたい!!



そのための…………力が欲しいっ!!!






パァァァァァァァァッ!!!



「こっ……これは……!?」



瞬間、ヨイリーが解析をしていたロックマンの残留電波の青い光が、まるで意思を持ったかのように空中に浮かぶ。


そして驚く間もなく、ミソラのハンターVGの中に吸い込まれるよう入り込む。



「えっ!? なっ、何が起きたの!?」


「ミソラちゃん! ハンターを見て頂戴!」


「は、はい!」



慌てて手にしたハンターVGを起動させると、ディスプレイ画面には大きく『S.S.S.』と、そしてその下に小さな文字で『Shooting Star System』のアイコンが出現していた。


「シューティングスター……システム………これは……」



ヨイリーに聞くより前に、ミソラの指先はすでにその文字に触れていた。


刹那、ミソラの体を青の光が覆う。



「ミソラちゃん!!」



突然のことでミソラは驚いたが、同時になぜか安心にも似た感情に満たされていくのが分かった。



「……暖かい……これは…………!」




バシュウウウン!!



覆ってした光が弾け飛ぶと、そこに立っているのは紛れもなく……。




「……ロックマン…………!」

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