S.S.Rockman AnotherU−Vanish Pleiades−
□第6章 希望と絶望
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「電波を消滅って・・・じゃあハープは!? ウィザードたちはどうなったの!?」
アンチウェーブという最悪を知り、動揺を隠せないミソラは、それでも諦めないと言わんばかりに声をあらげてヨイリーに詰め寄る。
「・・・アンチウェーブが発生した箇所では、あらゆる電波の反応が確認出来ないわ。・・・ウェーブロードもリアルウェーブも・・・・・・ウィザードも、よ・・・」
「・・・・・・・・・嘘よ」
今度こそ絶望の淵に叩き潰されたミソラは、カクッと体を支える力を失ってしまった膝を勢い良く地面に叩きつけ、俯く。
「こんなの・・・こんなの嘘だよ! 嘘に決まってるよ!! ねえそうだよねヨイリー博士!! ・・・ねえ! ・・・・・・嘘って言ってよ・・・!!」
「・・・・・・・・・」
ミソラの叫びに言葉をかけることが出来ないヨイリーは、そんなミソラに対して無言を貫くことしか選択肢が見つからなかった。
「そんなっ・・・! そんなのヤダよ・・・・・・ハープゥ・・・! 皆ぁ・・・! ・・・・・・スバル君ッ!!」
・・・・・・キラン
「・・・・・・ん・・・?」
地面に伏せ、今まで塞き止めていた涙を溢れるように流しているミソラの握りしめている掌の中にヨイリーは小さな光を見つけた。
「・・・ミソラちゃん、その掌にある光っているものは何かしら?」
「・・・え・・・っ?」
ミソラは涙でぐしゃぐしゃになった顔を手で拭いながら、思い出したように自分の柚比を開き、掌にある光を見つめる」
「これ・・・はっ・・・」
「・・・・・・それだ」
そこで、暫く沈黙を続けていたソロが静かに囁いた。
「・・・どういうことかしら?」
「その光は・・・星河スバルの自宅から見つかった。・・・・・・おそらく『ロックマン』の残留電波のようなものだろう」
「何ですって!」
・・・・・・だから、どうしたのよ・・・?
もう・・・そんなの意味なんてないよ!
・・・皆が・・・スバル君が・・・いないんじゃ・・・・・・もう・・・・・・
――――――最後まで諦めちゃだめだよ!
・・・・・・!!
・・・そうだ・・・!
スバル君なら・・・ロックマンならこういうとき絶対に諦めない・・・!
私のヒーローは・・・絶対諦めない!!
・・・また逃げるとこだったよ・・・・・・ありがとうスバル君・・・!
そうだったよね・・・今度は、私の番・・・!!
「・・・・・・ヨイリー博士」
「・・・どうしたの?」
唐突に、俯き涙を流し続けていたミソラが顔を上げ小さな声を放った。
「この光の解析・・・お願いします・・・!」
「えっ?」
「・・・多分だけどこれは・・・スバル君が・・・ロックマンが残してくれた最後の希望だと思うの・・・! 『最後まで諦めるな!』って・・・スバル君が言ってる気がするの・・・!!」
「・・・・・・分かったわ。・・・私もロックマンにもう一度、会いたいしね・・・!」
「・・・! はい! お願いします!」
ミソラの精一杯の笑顔に、こちらも笑顔で返したヨイリーは、ミソラの掌にある光を受け取った。
・・・と、次の瞬間、ヨイリーは不意にソロの方へと向き直る。
「・・・・・・それにしても・・・やっぱり変わったのねあなた」
「・・・・・・・・・」
「今度は無言かしら? ・・・・・・今度は仲良くなりたいわ、ソロちゃん」
「・・・・・・フン」
「フフッ!」
ヨイリーの笑い声とソロのあまり見ることのない動揺した姿を見て、ミソラは一瞬『日常』を思い出した。
・・・・・・スバル君
・・・私、諦めないよ・・・頑張るからね・・・!
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