S.S.Rockman AnotherU−Vanish Pleiades−
□第1章 消える電波体
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「・・・? ハープ?」
響ミソラは携帯電波端末『ハンターVG』のディスプレイを覗きこむ。
だが、彼女のウィザードであるハープの姿は見当たらない。
「おかしいな、ハープが私に何も言わないで出かけるなんて・・・」
妙な胸騒ぎがしたものの、すぐに杞憂だと自身に言い聞かせたミソラは、再度ハンターVGを操作して新たなディスプレイを表示させた。
「そのうち帰って来るよね・・・。そんなことより今日は仕事はお休みだし、久しぶりにスバル君達に会いに行こーかな!」
表示したのはテレビ通話のディスプレイ画面。
・・・・・・だが、一向に相手に繋がる気配がない。
「・・・出ない。いきなり行ったらちゃんと連絡してから来てって怒るから連絡したのに・・・! ・・・いいもん、こうなったら電波の速さで飛んで行ってやるんだからっ!」
そう言ってハンターVGを勢いよく腕に装着して電波変換しようとするも、『今はハープがここにいない』という事実をものの数分で完全に頭から飛ばしていたミソラは、小さく溜め息を吐いた。
「・・・・・・ハープ、まだかなぁ」
プルルルル・・・
溜め息を吐いた直後、唐突にハンターVGが着信を知らせる電子音を響かせる。
瞬間、スバルからだと思い即座に腕に着けたままのハンターVGを操作し、出現したポップアップをタッチした。
[あっ! ミソラちゃん!?]
「ルナちゃん? どうしたのそんなに慌てて」
本音を漏らせば、相手がスバルではなかったことにほんの少し残念な気持ちが芽生えたが、画面に映るルナの表情と声を感じ、何かが起こったのだとミソラは即座に理解する。
[どうしたのって・・・アナタ、何も知らないの!?]
「え・・・?」
[・・・ミソラちゃん。聞くのが怖いけど・・・ハープは今そこにいるかしら?]
「ううん、朝からどこか出かけちゃったみたいで・・・」
[・・・そう、やっぱりそうなのね・・・!]
「ど・・・どういうことなのルナちゃん?」
[・・・・・・私もなのよ。・・・いいえ、正確には私だけじゃないわ]
この時、ミソラは次に放たれる一言を無意識に想像した。
してしまった・・・。
・・・最悪の事態を。
[世界中の全てのウィザードが、いなくなっちゃったのよ・・・!]
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