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□君との私の春2
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名無しさん(恋だ…)

私は土砂降りの窓の外を眺めて、ベットに寝っ転がっていた。

悠斗君はちゃんと家に帰れたのかな… 綺麗な横顔だったな…

少しでも気を緩ませてぼーっとすると、すぐ私の頭を占拠する悠斗君。

名無しさん「久々に…好きな人ができた…」

認めざるを得ないほど、私はあのひと時で悠斗君に惚れてしまった。

名無しさん「私…頑張りたい」

名無しさんは立ち上がり、姿見の前に立った。

他の子に比べちゃまだまだだけど、それなりの顔立ちに、サラッと通る髪…

何気なく自分の髪に指を通すと、悠斗君に頭を撫でられたあの瞬間がフラッシュバックした。

名無しさんは顔を赤らめながら、メイク、ファッション、ヘアスタイル…色々な勉強を始めた。

悠斗君にもっと近づきたい!

名無しさん「明日は土曜日だし…色々買いに行こうかな!」

次の日、私は可愛くなるための道具や服を揃えるべく、早起きして外出した。

こんなにウキウキするの、久しぶりだ…

可愛いリップ、おしゃれな髪留め、梅雨明けに着る夏服も買った。

少し遅い、私の春はようやく始まった。

買い物から帰宅して、日曜日はもっと勉強をした。


可愛くなりたい!


月曜日はいつもより早起きをして、ナチュラルメイクをして、ゆるいカールをかけた髪で学校へ向かった。

学校に行くのがすごく楽しい。

教室に入れば、友達みんなに可愛くなった、って褒めてもらえた。

でも、私が本当に褒めてもらいたいのは…

ふっと顔をあげて悠斗君を見ると、席に座って本を読んでいた。

悠斗君、本とか読むんだ…

私は、雨の日のお礼も兼ねて、話しかけに行った。

名無しさん「悠斗君、おはよ!」

顔をあげた悠斗君は、思った通りの綺麗な顔立ちで、ドキッとした。

悠斗「…」

あれ?
反応無し…?

私の顔をじっと見つめたまま、固まる悠斗君。

名無しさん「え、えっと、雨の日はありが…」

悠斗「お前化粧とかしてたっけ?」

名無しさん「えっ?」

気づいて…くれた?

悠斗「変なの」


えぇ〜!…

せっかく頑張ったのに…

名無しさん「い、いいじゃん別に…少し頑張ったのに…」

悠斗「あっそ」

肝心な悠斗君にはけなされて終わった…

少しどころじゃない…土日でめちゃくちゃ頑張ったのに!

私は少し肩を落としたまま授業を受けて、帰宅した。

名無しさん「なにがダメなのかな…」

鏡を覗いたけど、帰るまで化粧崩れはしてないし、髪のカールも落ちてないし…

努力が足りないんだ…

私は悠斗君のそっけない態度に、もっともっとおしゃれに燃えることになったのであった…

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