main

□グロテスク
1ページ/1ページ



僕、柊深夜は一瀬グレンの事が好きだ

「真昼と付き合うことになった」
「…へえ、そうなんだ」

で、その恋は本日玉砕した
柊真昼─柊家の次期頭首候補であり、常に学年首席の運動神経抜群で、周りからの信頼も厚い
神童をを超越した天才奇才
更には容姿端麗眉目秀麗
正に、絵に描いたような少女
グレンが真昼を好きなのは知っていたけれど
まさかそんな完璧な少女が、こんな非凡な一瀬の長男と付き合うなんて誰が想像しただろうか
グレンの隣に立ってどこか照れ臭そうに、嬉しそうに笑う真昼を一瞥して、二人に向き直る

「おめでとう、二人とも」

上手く笑えているか心配だ
にしても、なんて心にもない言葉だろうか
祝福する気なんてさらさらないのにな

「ありがとう、深夜」

ぺらぺらの言葉に御礼を言う真昼が滑稽で、内心で嘲る

「仲良くね」

初々しく微妙に距離を空けて立っているのが、また腹立たしい
明確な理由なんて分からないけど、一挙一動腹が立つ
なんでわざわざ報告なんてしてきたのかな
まぁ、一緒に居ればいつか分かるだろうけどね
嗚呼、早く別れればいいのになぁ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ