main

□いっしょにごはん
1ページ/3ページ



吸血鬼の地下都市から逃げてきた"百夜優一郎"というガキを保護してもう一ヶ月が過ぎたある日、本部からの呼び出しで小百合と時雨、従者二人が珍しく同時に家を空ける事になった
最後まで行くのを渋っていた馬鹿二人を無理矢理追い出してから間もなく、優が目を覚ましてリビングにやって来た

「ふあぁ〜……あれ、グレン?」
「ん?あぁ、やっと起きたか、優」
「…おはよ」
「おはよ」

まだ眠いのか半開きの目でリビングを見渡す

「いつも姉ちゃん達は?」
「小百合と時雨なら今日一日居ない。だから代わりに俺が居る」
「ふうん」

興味なんてございませんとばかりに適当な返事をして椅子に座って

「なあ、腹減った」

と言ってきた
確かにもう7時をまわっているから、お腹も空くだろう

「なにが食べたいんだ?」
「別になんでもいい」

それが一番困る
思わず眉間に皺が寄った

「なんでもいいならなんか言えよ」
「じゃあ、目玉焼き」
「それだけ?」
「んー…ウインナーとご飯、と…味噌汁」
「なんか定番な朝飯だな」

するとムッとした表情になって

「悪いかよ」

とこちらを睨みつけてくる
ちょっとした事で百面相する顔とか、ふて腐れた声を聞いていると
まだまだ子供だなと思って自然と笑みが浮かんだ

「いや?作ってくるからちょっと待ってろ」

そう言うと、首だけ小さく振って頷くのを確認してから、キッチンに向かった
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ