どりーむ

□この気持ちは
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 ぶっちゃけ、私嫉妬深いんですよ。大好きな友達が私の知らない人と仲良く話してるところ見てもイライラするし、不機嫌になってしまう。それが、好きな男の子ってなったら、どうなる?
 「おおお落ち着けって、な?」
 「……」
 「シワ!!シワ寄ってるって!!その顔はやべぇって!!」
 「……」
 横でぎゃいぎゃい騒ぐキバの声なんて、一切耳に入っていない。私の視界には仏頂面だけど、口の端を上げて女の子と話すシカマル。女の子は、可愛くてふわふわした感じの女の子で、
 「あーでもあの子かわいいなぁ…」
 そう、キバのおっしゃる通り、女の子の中の女の子って感じの子だ。あ、女の子がシカマルの肩を触った。触んなこのアマ。いやいやシカマルもちょっと嬉しそうに笑わないでよコンチクショウ。
 「っってぇぇぇ!分かりました、あなた様の気持ちは痛いほど皮膚が剥がれるほど分かりましたから俺をつねんなぁぁぁ!!」
 「あ、ほんとだつねってたごめんキバ。」
 「無意識かよ…!!」
 涙目のキバはとりあえずほっといて、私は溜息をついて机に突っ伏す。くっそう、まだ仲よさそうに話してやがる。くそうくそう。私もあんな風にシカマルと話したい。くそうくそう。
 「つーかよう…。」
 私がつねった後をさすりながら、キバは恐る恐る声をかける。よっぽど痛かったらしく、私の手の届かないところに移動しながら。まったく根性ないなぁキバクンは。
 「お前も、さっさと言っちまえばいいんじゃねぇの?そんなにいちいち近づく女子睨む前に…ったたたたぉあ!!」
 「貴様に私の気持ちがわかるまい。」
 「わかんねぇぇよぉぉぉいってぇ…。」
 ふふんキバクン手が届かなくても私には制汗剤とやらがあるのよ。目を押さえ呻くキバを見たらちょっと悪いことしたかなぁなんて思ったけど、私の心の傷の方がよっぽど深い。ほほーいと簡単に気持ちを伝えられたらこんなに苦しくない。はぁ、と何度目かの溜息をついて、
 「お前ら何してんだよ…。」
 降ってきた声に全身の毛が粟立つ。ここここの声は!!恐る恐る顔を上げると、呆れかえったシカマルの顔があった。もしかして、もしかしなくてもこのやり取り聞かれてた!?ざあぁと血の気が引く。
 「教室でじゃれんなって。」
 「じゃ、じゃれ!?」
 シカマル、それ、激しい勘違いだよ!!けど、残念ながら私すきな人の前じゃ緊張してうまく話せないんです。ウワァこの勘違いをどう正せばっ!
 「チゲぇよ一方的に俺がいじめられてるんですシカマル。」
 キバそれもチゲぇぇぇ!!!い、いや、合ってるけど、違うの今それは言わなくていい事なのぉぉぉぉ!!!
 「だいたいよぉ、お前も気づいてんのになんであんなそっけない態度とるのかねぇ。」
 「だってこいつが一喜一憂してんの見たいし。」
 「そのせいで俺が被害に合うんだよ。」
 …ちょ、お前ら何の話してんだ、私ついていけてないけど。え、どゆこと。
 「まぁ、シカマルがちらちら見て仏頂面してんの見るのたのしいから我慢してっけどさ。」
 「…うるせぇ。」
 全く、全く状況についていけない私だけど、一つだけ分かったことは、




この気持ちは、一方通行じゃないみたいです

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