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□ご予約、承ります
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今日の理科の授業は、市販のお菓子から着色料を取り出すものだった。
で、みんなでお菓子を持ち寄ったは良いけれど。
「余ったお菓子は先生が回収します!」
授業が終わると、先生は触手をフル活用して皆のお菓子を瞬く間にかき集めていった。
……もしかして、食糧難なのかな?
先生、お弁当とか作ったら食べてくれるかな。
ちょっと気になって、弱点をメモしていたはずの潮田くんに訪ねてみた。
「ねえ潮田くん、殺せんせーって甘党だったっけ…」
「うん、すっごく。…いきなりどうしたの、霧島?」
「ううん、ちょっとね」
不思議そうな潮田くんを他所に、ゆっくり席についた。
甘党かぁ…。
甘めの卵焼きとかいいかも。
デザートも付けて、お握りと、きんぴらと……
買い出しに行かなきゃ。
と、楓が鞄を片手に駆け寄ってきた。
「月花、一緒帰ろっ」
「あ、ごめんね楓。今日は買い物に寄るから…」
「そっかぁ…じゃあしょうがないね。また明日ねー!」
ちょっぴり残念そうな楓に、ちょっと罪悪感が沸く。
でも、好きなひとに振り向いてもらうチャンスなんだ。
明日は頑張って早起きしよう。