殺せんせーの事なんて全然好きじゃないんだからねっ!

□さん
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ひっそり聞こえる会話は、なんだか荒々しくて乱暴だ。
様子を伺おうとのぞくと、
「お前がやれ、いいな!」

「う、うん…」
がしり、と潮田くんの肩を組む寺坂くん。
その表情は、凶器のようだった。

おかしい。
これではただの脅しだ、止めなくちゃ。

影から出ていき、寺坂くんたちを見据える。
「何を…しているんですか!」

ぎろりとこちらを見たのは村松くん。
と思いきや、私を確認するなりげらげらと笑い出した。

「これはこれは、『お友だち』に裏切られてE組に来たユートーセーの霧島じゃねえか!!」

「っ、」

知ってたんだ。

一瞬たじろぐと、彼らは楽しそうに言う。

「丁度いい、お前も手伝えよ。」

彼に肩を捕らえられる。


「霧島!駄目だよ!」
潮田くんが叫ぶ。
そうだ、私は、

「ここで認めてもらうんだよ、どんな手を使ってもな!」

不意に放たれたその言葉にはっとする。

それじゃあ、まるで私じゃないか。

そうだ。この人たちに協力したって構わない。
肩の力が抜ける。

認めてほしいだけなんだ。


「はい」


ごめんね、渚くん。
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