殺せんせーの事なんて全然好きじゃないんだからねっ!
□いち
1ページ/2ページ
「私が、月を爆破した犯人です。来年には地球もやる予定です。君達の担任になったのでどうぞよろしく」
「単刀直入に言う、この怪物を殺して欲しい!」
E組に落ちた私の憂鬱な新学期は、唐突かつ意味不明な始まりを果たした。
「ねー、できると思う?月花ちゃん」
「何で私に聞くんですか、陽菜乃ちゃん…」
その日の帰り道、ゆったりと家に向かいながら陽菜乃ちゃんと途方に暮れていた。
落ち込みながら教室に行ったら、いきなり月を爆破した超生物が担任になるから殺せ、報酬は百億円だなんて。
誰が何を考えているのかさっぱり解らない。
「うーん…百億もらえるならやってみたくない?なんかマンガみたいですっごいよね!」
楽しそうに語る陽菜乃ちゃんに、曖昧に頷いた。
殺さないと、私達は死ぬ。
でも、なんだか皆みたいに「殺る」気にはなれない。
鞄から覗く対先生用ナイフのケースに、ちょっと心が痛んだ気がした。
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ