HAPPY
□HAPPY 7
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冷たい、
意識が戻ると、額が冷たかった。
触ると冷えピタが貼ってある。
さっきはただ寝てただけだからこんなことしていない。
テグン、帰ってきたのかな?
薄暗い寝室のドアが少し開いていて、リビングの光が漏れている。
「テ、」
絞り出そうとした声は意外に掠れてしまった。喉も渇いたしベットから出ようとしたところで、ドアからテグンが入ってきた。
「ハギョナ、起きたか」
心配そうなテグンが、水と体温計持ちながら入ってくる。
「メール見た。今日はぐっすり休んで、調子悪そうなら明日医者に行こう」
テグンは微笑みながら、ベットに腰掛けて髪をすいている。
差し入れられた体温計から音が鳴り、表示を見たテグンは、「今日は絶対安静だな」と笑った。
「食べたいものあるか?」
テグンだって疲れてるだろうに、すごく優しく聞くからいつもだけど甘えたくなってしまう。
「おかゆ」
「りょうかい。ゆっくり休んで、ハギョナ」
笑ってリビングに戻ろうとするテグンの手をとっさに掴んだ。
「どうした?ハギョナ」
驚いたようにまた顔を覗き込むようにするテグナ。
なんだか切なくなって、腕から手に移動して、テグナの手を握った。
「ありがとう、テグナ。」
「うん」
「それで、ね。」
「ああ」
「もうちょっとだけここにいて」
意図していない上目遣いと潤んでしまった目元をみたテグンは、愛しくて可愛くて、そして少しだけ下半身が疼いてしまって。
それを隠すように、ハギョナに覆いかぶさるようにキスをした。
うつっちゃうよというハギョナのために、頬と額にキスをして抱きしめた。
「愛してる。ハギョナ。いつもがんばってるから、ちょっと体が疲れちゃったんだな。ゆっくり休んで。」
至近距離でハギョナにいうと、ハギョナはこくんとうなづいた。ずっと繋いでいる手を何度も合わして、離れがたいけれど、
「おかゆ、食べたいだろ?」
そういうと、見越したようにお腹がくぅと鳴いて、恥ずかしそうなハギョナは布団に潜ってしまった。
「作ってくるから、もうちょっとだけ待ってて」
そういうのだけれど、ハギョナは手を外してくれない。
「全く、可愛いお姫様だ」
布団越しにもう一度キスをして、繋いでいる手にもキスをして、やっとテグンはリビングに戻った。
その後のハギョンは、のろけよろしくテグンかっこいい!と更に熱を上げてしまい、おかゆを持ってきたテグンを少しだけ心配させていたけれど。それはまた別のお話。
おわり。