HAPPY

□HAPPY5
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近所のスーパーマーケットは
比較的近いから歩いていく。

花が咲き始めいることに
感動しているハギョンが、
見て見て!と
満面の笑顔でこっちを見てくる。

その度、どうした?と
近づいていく。

チューリップの色が綺麗だの、
桜が散っていて綺麗だの、
本当に嬉しそうに聞かせてくる。

ハギョンは、
話を聞いてもらうのが好きだ。
逆に無視されれればされるほど
構われたがる。
ハギョナが明るい分
寂しがりなのは分かっている。
だから苦手だった会話も
少しずつするようにした。

二人で並んで歩き楽しんでいるときに誰かに気付いたらしく、ハギョナが声をかける。

「パクさんちのジミンさん。こんにちわ」

ハギョナと一緒に会釈をしたら、
向こうも気付いたみたいで、会釈をしてくる。

そのまま近づいてみたら、
ブルーシートを広げてお弁当を食べている所だった。

「こんにちわ。ハギョンさん。
お花見にいらしたんですか?」

「ううん、違うんだ。今日は、
これから買い出しにね。
折角だから公園に来てみたんだ。桜が満開でビックリしたよ。

あ、テグナは
はじめましてだっけ。

同じ棟に家族で住んでらっしゃるジミンさんだよ。
公園の清掃活動の時にご一緒して、そこから話すようになったんだ。」

「そうなのか。はじめまして。
テグンといいます。
うちのハギョナがいつも
お世話になっています。」

「はじめまして、パクジミンと
いいます。こちらこそいつも
お世話になっています。

それにしても
初めてお会いしますが、
お二人ともお似合いですね。」

「そう?」

何て言いながら、
内心嬉しいハギョナは
隣にいるテグンに目配せして、
お互いに見つめあった。

幸せそうに笑いながら
肩に寄りかかる。

二人が幸せなのが
見て取れるくらいだった。

「で、ジミンくん。
素敵なお相手だねぇ」

からかうように
ハギョナが言うと、
ジミン君が照れたように
頭を掻いて笑顔になった。

「そうなんですよ、
本当に素敵な人で…」

そういうと、もう一人の男が
パボ!といいつつ
ジミンの肩を殴っている。

照れ屋なのか。
そういうとハギョナが
また面白がって、

「紹介してくれないの?」

「あ、はい。是非。
ミン・ユンギさんです。」

「ミン・ユンギです。はじめまして。」

「そうなんですね。」

「ユンギさんは大学の先輩で。
今日は天気がいいから
一緒にお花見に来てて、
お弁当だってユンギさんが
作ってくれたんです」

「そうなんだ、良かったね。
ジミン君」

「はい!」

幸せそうに笑うジミン君。

「じゃあ、
俺たちは買い出しに行くから、
お花見たのしんでね」

「はい!」

そういって、別れた後、ハギョンはテグンの腕に腕を絡ませた。


「初々しいカップルだったね」

「そうだな」

二人で桜が舞う道を歩いていく。
少しだけいつもより
人が多い公園を
二人で歩く。

前を見ながらハギョナが
ぽつりと言う。

「うちのハギョナって
言ってくれてありがとう」

「だって、俺のハギョナだろ」

「うん!」

今日一番の笑顔で
ハギョナが笑うのを見て、
なんだか心が温かくなった
気がした。


「ハギョナがうちの奥さんで
いてくれて、良かったよ」

照れ臭いけど、
ハギョンを見ながら
そう言ったら、

「俺もテグナが
旦那さんでよかったよ」

照れながら
そう言ってくるハギョナ。

この時間が
続いていきますように。

桜の木にそう願った。




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