HAPPY

□HAPPY6
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バイトが終わって駅でユンギヒョンと待ち合わせ。
着替えてロッカーの鏡で髪の毛を整える。
カバンとプレゼントを抱えて、お疲れ様でしたと声をかけて小走りに駆けていく。

待ち合わせ時間より少し早めに駅に着いたら、待ち合わせ場所にもうユンギヒョンがいた。

「ヒョン!」

思わず声が上ずる。夜になると肌寒くてヒョンは着ていた長袖の中に手を引っ込めて両手でこすって辺りを見回していたが、俺を見つけるとふわっと笑った。

「ちむ」

笑うヒョンに、ほら寒いでしょう?と着ていたマフラーを首に巻いた。チャコールグレーのマフラーを持ちながら、ありがとうとヒョンは呟いた。

「レストラン予約してあるんで、行きましょう」
「おう」

ちむのくせに生意気だぞなんて小突きながら、それでも予約してくれてありがとうなんていうヒョンが可愛くて、嬉しくて、ヒョンの身体を抱き寄せた。


レストランにつくと、辺り一面の夜景が綺麗な席へ通される。ヒョンが嬉しそうに夜景を見ているのをみて、嬉しくなった。

コース料理に舌鼓をうち、なんでもない話でたくさん笑った。
一つ一つのことに真剣で、その都度表情が変わるヒョンを見ているのが幸せだ。
シャンパンも美味しくて、ヒョンとのこの時間のために必死こいて働いてほんとうによかった。

デザートが運ばれてきて、美味しいねと話すヒョンが可愛くて。
いうなら今しかないと思ったんだ。

「ミン・ユンギさん」
「はい」

急に名前を呼ばれて驚いているヒョンと向き直る。

「今日まで100日。俺と一緒にいてくれて本当にありがとう。これからも俺、ヒョンと一緒にいたい。今はこれしか出来ないけど、もっと俺頑張ってヒョンの隣が似合う男になるね。」

そうしてヒョンの前に指輪を見せた。
この為にヒョンと会う時間を減らしてまで、がんばったもの。
今はこれだけだけど。いつかは。

ヒョンのきれいな手に細いシンプルなデザインだが、ユンギの誕生石である小さなパールがあしらわれている指輪がはめられていく。

じっとジミンを見ているユンギは、少し放心状態で。
指輪がしっかりと右手の薬指に入って、ジミンが嬉しそうに、「合った」と笑って。

それまで感情が付いてこなかったユンギは、自分の右手の指輪をみつめたあと、じわっと涙が溢れてきて止まらなくてそのまま泣いてしまった。

そうなるとどうしていいのかわからないのはジミンで、

「え、ヒョン。どうしたの?嫌だった?ごめんね?」

頭を掻きつつあわてだしたが、頬に流れるユンギの涙を親指で拭きながらユンギを見つめた。
こういう時のジミンはいつも優しい。

「いつもありがとう、ユンギヒョン」

優しく言うからまたユンギの目には涙がたまっていく。
ひゃっくりしながら、それでも伝えたくて。
ジミンの目を見ながら、

「いや、じゃない。んっ。嬉しい。
ありがとう」

つっかえながらも言えたと思って顔をあげたら、感動したジミンにそのまま手を握られ、あまつさえその手にキスをされて、どうにもならないくらい恥ずかしいけれど、感謝の気持ちは伝えたかった。

食べ終えて支払いを終えて、そのままホテルの部屋に行く時には、しっかりと腰を抱き込まれながら歩いていくことになって恥ずかしいけれど、それでもここまでやってくれたジミンに何かしてあげたくて。

「今だって十分格好いい。ジミン、愛してる」

抱き込まれたままジミンの耳元に呟いたら、物凄い笑顔になったジミンがユンギの身体を抱き込んだ。


「可愛すぎる…。本気で今日は寝かさないからね、ユンギヒョン」

そのままお姫様抱っこしそうになって、流石に恥ずかしくてやめさせたけれど、これから部屋に入ってからが凄そうで。
100日記念、頑張ってくれたからいいかとユンギは思い、楽しそうなジミンの身体に任せることにした。


おわり。




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