HAPPY
□HAPPY3
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恋多き男だと
移り気だと人は言うけれど、
こんなにも恋をしたのは、初めてなんだ。
「ユンギヒョン、手」
今日は公園でデート。
季節が春に変わって、桜の季節。
近所だけれど、比較的知り合いに会いにくい公園にいく。
暖かくなってきたからか、公園内の道の端に植えられている植物の花が咲き始めている。
レンガの道を、ユンギヒョンの手を取って歩く。
「やめろよ、誰が見てるかわかんないだろ?」
ちょっと不安そうに手を揺らして、ユンギヒョンがほどこうとするのをぎゅっと握って、
「大丈夫だよ、そこらじゅうカップルだらけなんだから。
それに、俺、ユンギヒョンと手を繋ぎたいし」
振り返ってユンギヒョンの目を見ていうと、
ユンギヒョンは不意と顔をそらし、
そうかよ、と小さい声で言う。
外されない手をまたしっかり繋ぎ、
「いくよ」と言って歩き出す。