HAPPY

□HAPPY1
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*ここではどちらも
本名で呼び合っています。
(LEO テグン N ハギョン)






ふと意識が覚醒して、
目は開けないまま少し伸びをする。

寝覚めのままの状態でベットでゴロゴロしているとリビングからハギョンの歌声が聞こえてくる。

時々鼻声になりながらも楽しそうだ。
食欲をそそるようなソーセージを焼く匂いと、ハギョンがつけただろうラジオから男性アナウンサーの声が聞こえる。
少しだけ目を開けてみると、カーテンの隙間から朝の太陽が差し込んできている。

「テグナ、朝だよ〜」

台所で準備をしながら、いつものようにハギョンの声が聞こえてくる。

朝はもともと弱いのだ。
未だ開けることができない目をそのままにまた一つ寝返りを打つ。

「テグナ〜?」

なんどめかの声かけ、それでも起きないから、台所から寝室のドアを開けながら声をかける。

「起きて、テグナ。
仕事でしょ?」

優しく揺り動かしたあと、手を掴んで起こされた。こういう所、ハギョンはうまい。

「おはよう、テグナ。
顔洗って一緒に朝ご飯食べよ?」

小首を傾げて、じっと見つめてくる。可愛いハギョンの笑顔。
それだけで幸せになる。

「ハギョナ」

繋いでいた手を外して、ハギョンの細い腰を引き寄せ、抱きしめた。唯一無二のこの温度にほっとする。

「なぁに。テグナ」

胸の中に抱き込まれる形になったハギョンの声が優しく響く。

「好きだよ」

自然に出た言葉だった。

結婚してまだ1ヶ月もたってないから新婚気分なのは変わらない。
普段言葉にして伝えるのが苦手な俺にハギョンが怒って拗ねたりすることもしょっちゅうだったけれど、それこそやっと結婚出来てから、自然に感謝の気持ちと共に言葉が出てくる。気恥ずかしいよりも真実だった。

「ん、もう。テグナったら(o^^o)」

照れたハギョンが
胸をぽこぽこたたいて
また俺の胸に抱きついてくる。

「俺も、テグナが大好き。
愛してる」

嬉しくなって
より強く抱きしめた。

きついよ、なんて
ハギョンが可愛く笑って言うから、愛しくて、ハギョンの耳元で愛してると呟いた。

ハギョンは一瞬ばっと離れて
真っ赤になった顔で
耳元を覆った後、
腰にしっかり張り付いている
俺の腕からは離れられず、
ヘナヘナまたむねに縋り、
テグナのばかぁと独りごちた。

うぅーと小さく唸った後、
顔を見ようとハギョナの顔を
覗き込もうとすると
顔を反対側に伏せて、
何度か繰り返した後
観念したのかため息を一つして、小さな声で


「おれも愛してる」

照れすぎたハギョナが
観念したように
こちらを見ていった。

その唇を捉えて、
ゆっくりと味わった。




しばらく抱きしめあっていると
何かを思い出したハギョンが
あ!と声をあげて。

「テグナ、仕事!ごはん!」

ハギョンに手を引かれて、
二人で台所へ行って
ご飯を食べた。

いい匂いのコーヒーと
サクサクのクロワッサンに
ベーコンエッグ。
二人で食べる幸せな時間。

そのあと着替えて、
部屋を出る前に
ハギョンから呼び止められた。

「テグナ、いってらっしゃい」

「ハギョナ、行ってくる」

玄関前でのいつもの儀式。

そのまま玄関を出ようとする
テグンのスーツの裾を
ハギョンは引っ張った。

「テグナ、忘れてる!」

口を膨らませたハギョンをみて、
何かに気づきごめんと謝った。

「ハギョナ、行ってきます」

口元に降るキスを受けて
ハギョンが幸せそうに笑った。

「行ってらっしゃい、テグナ」



閉まったドアを少しみて、

テグナ、頑張って!

もう誰もいない玄関で
出てった夫に向けて
応援の言葉をかけた。



〜いつものテグン家の朝の風景〜



 

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