解放王の歌姫と守護者

□留守番少女と懐かしの楽士
1ページ/13ページ

私は、市街を歩いていた。
全く、今頃はアトロパテネにいたはずなのに。
ヴァフリーズやアルスラーンと剣の稽古をしていると馴染みの兵がやってきた。友好国であるマルヤムがルシタニアに侵攻されたらしい。そして、アトロパテネ平原で我が軍を待ち受けている、と。
そして。
その戦いにアルスラーンも出るように、と。
怪しい。怪しすぎる。もちろんルシタニアが。
平原は騎馬に優位。パルス騎馬隊は現在世界最強と言ってもいいだろう。普通は山などおうとつのあるところが待ち伏せに有利なのに。ヴァフリーズにそう伝え、私も出陣を請うたのだが。
却下された。
それよりも国王が出ると王都が危ないから守ってくれ、と。
アルスラーンにも頼まれたので、
渋々私は了承し、サーム卿達と留守番だ。
暇だ。すると、知り合いの子供らが駆けてきた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ