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□No.4
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ミラは珈琲カップを洗いに行った
「お前さ」
「…!!」
ノワール、君も僕が見てきた人物の中に入っている
ミラの隣にいた男
ミラに好意を寄せる男だ
「ミラは俺のだ
お前になんか渡さない」
「…」
僕の声は美しいけれど、人のカタチの時は耳を噤むほどの汚い声だ
ねぇ、覚えてるかい?
ミラがまだこんなに小さかった頃
僕は人のカタチで喋った事があるんだよ
君は言ったよね
『あなたの声はキレイだよ!』
ずっと、その言葉が僕から離れない
どれほど君を愛せば胸の痛みは消えるんだろう