Long
□不幸少女
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唖然としていると若い男の声で後ろからたずねられた。
「えぇ…」
思わず答えてしまった。
「あなたには`審神者`をしてもらいます。未来を歴史修正者から救ってもらいます」
さにわ…ってなんだ?
聞いたことのないことをしろなんて面倒だ。
なんで私が…
「あなたには審神者になれる資格…いえ力がありますし、親御さんからは了解も得ています。それに政府、つまりは国がきめたこと、断れませ…」
「お断りです!」
親御さん…つまり、早い話が親に売られたのだ。
だが、断れないとか国とか知ったことかと言わんばかりに、男の声を遮り、大きく断った。
だが、男は断ることを知っていたようである。
「断っても構いませんが、僕があなたに声をかけた時点で手遅れです。歴史修正者が審神者になりうるあなたを消してしまうやもしれませんよ?そんな能力があるなら知ってるでしょう?」
爽やかに笑顔でいう男の言うことは一理ありそうだ。
人間なんて都合が悪いやつは排除しようとするのは9年の学校生活で知っている。
「…私にどうしろと…?」
「早い話がこの世を救ってほしい、というベタな内容ですよ。審神者でいる限り、年は取らないし衣食住に給料は国家公務員の端くれだからそれなりに、余程でない限りクビにもならない、万年人手不足だからね」
どう?
にっこりまた爽やかに笑った見せた男の顔は私には悪魔にみえた。
どうせ受けなければ国と修正者に追われるんだろう、それこそ≪ロクな目にはあわない≫、
おまけにこの私の時代は不景気で就職難、帰る家もない、売られたのだから…。
これだけ条件のいい仕事はない。
「仕方ないから、その話うけるよ。」
諦めた。
(いいほうへ考えよう…)