Long
□不幸少女
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はー…、
いつかロクな目にはあわないであろう、
とりあえず生まれて畳の上で誰かに看取られながら、
最期さえ迎えられたら自分の人生は上々だ。
そう覚悟は中学卒業の日にしてはいたのだ。
なぜに出だし一発目でそんな幸薄そうなこというんだ?
それはそうだ、≪いつかロクな目にはあわない≫といったが、
その≪いつか≫が今、そう、高校入学初日の帰り、つまり【今】なのである。
別に相手を殺してやりたいほど嫌いなわけではない。
だが、「許せない」そんな感情が自分の中に芽生えたら、その「許せない」人は必ず死んでしまうか、
飛び切り不幸になるのだ。
これまでに記憶にある分では最低5人は不幸にしている。
不幸にしたり、死んでしまった者の関係者には怨まれている
私が手を加えたわけではないが、怨まれている。
そんな私が煙いのか、
家族親戚は私に他県の高校へと入れ、
と同時に、
親が学校に近いからと見つけたアパートに一人暮らしすることとなった。
高校入学式を終え、
いざ、親が言うアパートへと向かったが、
そこはアパートではなく、
人気のない更地…。
そう、まっさらである。
「あなたが+++さんですか?」
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