戯言×復活 小話

□青色と赤色と9ばんめのひと
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場所は京都。某最高級マンション最上階。



「うにー」



青色の女性が数台のコンピューターの前で項垂れている。




「おー どうしたんだい、友ちゃんやい」



そこへ赤色の美女が現れる。



「わー!潤ちゃんなんだね!久しぶりなんだね!」



青色が赤色に飛び付く。
久方ぶりの再開に只でさえ高い青色のテンションはさらに高くなっていく。




「いやー今回は結構長引いちまってな。」


「うにー、ごくろうさんなんだよ。潤ちゃん。」



一通りじゃれあったあと、赤色はそういえば、と尋ねる。


「友ちん、元気なかったけどなんかあったのか?」


「んー、そうなんだよ。」


実は、と青色が話始める。


何でも愛しの愛しの愛娘のことであるらしい。
幼い頃から父親の仕事を手伝っていたことから娘は日常から少し離れた生活をしている。
本人はその事に多少ながらも不満を持っているらしい。


「へいわな にちじょうが いとおしいよ」


なんて遠い目をした台詞は普通6歳時の子供の口からは出てこない。
その原因に少なからずも心当たりのある赤色は目を僅かに泳がす。



「いやーそれはやらせたら出来ちゃうりーたんにも責任はあるんじゃないかな」

とか言い出す始末である。


確かに あ、無理かな。と思いつつ追い詰めてみると案外やってしまうあの子もどうかと思う。
追い詰める赤色もどうかと思うが。



「こないだなんか高層ビル屋上から投げ飛ばされたとか言ってたよ…?」


「こないだ?あぁ、あれか。いやーあれは爆弾の解除をりーたんに任せておいたら時間が無くなっちゃってさー」


やむを得なかったんだよ、ちゃんと先に下に行って受け止めたし。と言っている。


どうやって先に下に行ったのやら。


この様子ではあの子の日常を率先して破壊しているのは彼女もそうらしい。



「うにー。どっかに無いかな。りーちゃんに任せられて、日常を謳歌出来て危険の無い仕事ー。」



この情報のスペシャリストの青色が悩むほどなのだから本当に無いのだろう。



「んーあたしもなんかいい仕事あったら連絡するよ」



赤色は言うがその「いい仕事」が見つかる前に「危険な仕事」に連れて行くのだろう。



「おっと、そういや此処にはあまり長居出来ないんだったぜ」


じゃあな。と言い残し赤色は出ていった。




「…うにー。どうしたもんかなー。」




そもそも仕事をさせないという選択肢が無いのが不思議なのだが。


その答えに彼女達がたどり着けないのはひとえに齢六歳の少女が「人類最低」だからなのだろう。
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