戯言×復活
□少女、最強に無理矢理転居させられる。
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京都の とある塔アパート。
ここは請負人である父の自宅兼事務所。
仕事の書類整理をしている父にコーヒーを入れているときであった。
どごーん!
まさにそんな破壊音がした。
僕はぎょっとして父の顔を見る。
父はうんざり、といった顔をした。
父の知った客だろうか。僕は巻き添えを食わないようにさっとソファーの後ろに避難して様子を伺う。
「いっよー!いーたん。ひっさしぶりー!」
ずかずかと事務所へ上がってくる、どうやら客は赤色で父の同業者で最強のあの人のようだ。
そして父の名前を呼んだということは自分に用があるのではなく、父に用があるのだろうと辺りをつけて安心する。
あんなめちゃくちゃな人に呼ばれてたまるか。
「哀川さん、今日は一体何のよ…ぶおぁっ!」
ばきぃっガンッどさっ
…なんか、父が殴られて吹っ飛んで落ちた音がした。
「ありぃ?いーたん。おーい、起きろー。」
あの人が父を叩いている音がする。
だめだ。見ちゃいけない。
顔を出したら終わりだ。
すぐ気付かれる。
「おーい、まぁいいか。あとで説明すれば。用はこっちだしな。りーたーん。いるんだろ、出てこーい。」
呼ばれた瞬間びくぅっとする。
このまま隠れるか…いや、あの人から隠れきる自信がない。でも…。
「りーたーん?」
びくぅっ
無理だ。あの人に逆らうとろくなことがない。
僕はそろそろと顔を出す。
まず見えたのは、机からずいぶん離れたところに倒れ付している、父の背中だった。
「…なにしてんですか。哀川さん。」
「おっなんだいたのかよ。さっさと返事しろよなー。」
僕の質問には答えず、ずかずかと近づいてくる。
目の前に立つと手を伸ばしてきてガシィッと僕の頭を鷲掴んで赤い人は言った。
「引っ越し!するぞ!」
…なんでだ。