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□闇が月をさすとき、愚者は闇を見る
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 茹だるような暑さが続いている毎日。

 それなのに、相も変わらず毎日べとべととくっついてくるドフラミンゴがウザい。

 風呂から上がったローは、手にしたボトルを1本、全て湯槽の中にぶちまけてやった。



「これは…、ちょっと目にくるな…」



 換気しておけば少しは刺激も弱まるだろう。

 バスローブ1枚で何気ない顔で部屋へと戻ったローは、部屋で涼んでいるドフラミンゴに声をかけて早く風呂に入るように促した。



「よく浸かって汗流してこいよ?」



 ニヤリとした笑みを浮かべたロー。

 ドフラミンゴはやけに楽しそうな笑みを浮かべているローを不審に思いつつ、汗を流す為に風呂場に向かい、軽く身体を流した後で湯に入った。

 数分後。



「ロー…。お前…、風呂になに入れた…?」



 バスタオル1枚を腰に巻き、震えながら風呂場から飛び出したドフラミンゴは額に青筋を浮かべている。

 鍛えられた肌には鳥肌が立っており、してやったりとローは笑いだす。



「ククッ。ただのハッカ油だ。別に害はねェ」



「凄く寒いんだが」



 ドフラミンゴの唇が微かに震えているのは、はたして怒りからか、それとも寒さからか。

 どちらにせよ、思惑通りに事が運んだと、ローの笑みは崩れない。



「いつもウザいくらいに暑苦しいんだ。涼しくなっていいだろ?」



 しばらく凍えていろと、ローはそう伝えて部屋を出ようとした。

 が、当然のようにドフラミンゴに腕を掴まえられて、ローはその胸へとダイブする。



「テメェ…、なんのつもりだ?」



 鼻につくメンソールの匂いに、目までも刺激されてしまい、ローは目を細めながらドフラミンゴを睨みつけた。

 ドフラミンゴの顔は涼しそうで、笑みに歪んだ唇を舐めるように舌が動かされる。

 それを間近で見たローは、嫌というほど身の危険を感じて、ドフラミンゴの腕の中で暴れだした。



「フッフッフ、責任取って暖めてもらおうか」



「離せっ! おれは今そんな気分じゃない!!」



 じたばたと暴れるが、そんな抵抗など可愛らしいもので、ドフラミンゴは笑いながら片手でローの身体を抱きしめ、バスローブから覗く肌に顔を埋めた。

 合わさったバスローブの隙間から肌に舌を這わされ、ローの身体がピクリと跳ね上がる。

 見える範囲を全て舐められたローは、バスローブに歯をかけたドフラミンゴによってゆっくりと上半身を露にさせられていった。



「も…、やめろよ…」



 言っても無駄だろうが、つい口に出してしまう。

 嘲るように笑ったドフラミンゴは剥き出しになったローの肩に噛みつき、もう片手で色づいた胸を撫でてやった。

 ビクビクと震えるローの身体は、自分以上に寒さを感じているのではないかとドフラミンゴが思うほどに跳ね上がり、触れる度に彼の身体から力が抜けていくのが解る。



「ん…っ、ぅ…」



 薄く開いた唇に自分の唇を触れ合わせたドフラミンゴは、ローの熱い口内へと舌を滑り込ませてその中を楽しんだ。

 キスだけでローが蕩けてしまうのはいつものこと。

 何だかんだ言って嫌がる素振りを見せていても、このキスだけでローはおとなしくなってしまうのだから、はじめから素直になればいいのにとドフラミンゴは思う。

 だが、強気で自分に歯向かってくるローも気に入っているのは確かだ。

 結局のところ、どんなことをされてもそれを可愛らしいと思ったり、最後には許してしまうのだから、自分は相当ローに入れ込んでいるのかもしれない。

 それもまた楽しいと、ドフラミンゴは力の抜けたローを、床に押し倒していった。



「はっ…は…ぁ…」



 乱れた呼吸を繰り返すローの声はもう既に甘く掠れている。



「やめてやろうか?」



 胸の飾りに指をなぞらせながらドフラミンゴが問うと、悔しそうに唇を歪めたローが顔を背けて小さく呟いた。



「…好きにしろよ」



 どうとでも取れるローの言葉は先を促す答え。

 その言葉にドフラミンゴは笑い、胸の飾りを指で撫でながら同じように舌で舐めてやる。



「ぁ…ぅっ…」



 胸から伝わる刺激が甘く腰にくる。

 胸や腰、次々に色んな場所に手を這わされて、ローは身を捩ってその刺激から逃れようとした。



「あぁ…、ドフ…ラ…っ…」



 執拗に攻めてくるドフラミンゴの手から逃れられず、堪らずローは声を漏らす。

 脱がしかけのローのバスローブが、身体が跳ね上がると共に波を打ち、はだけた内股の間から勃ち上がった熱がチラリと見えた。



「フッフッフ、ロー。腰が揺れてるぞ?」



 自覚していなかった動きに、それを指摘されたローが顔を赤らめる。



「うるせ…っ。もっ、早く…、触れよっ…」



 他の敏感な部分だけを弄られているだけでは物足りない。

 決定的な刺激が欲しくて、ローはドフラミンゴを睨みつける。

 だがドフラミンゴはいやらしい笑みを浮かべるだけで、ローのそれに触れようとはせずに、他の場所ばかりを刺激し続けた。



「ぁあ…っ。も…、やらねェんなら…、お前の勃ってるソレに、ハッカ油ぶっかけるぞ…!」



 叫ぶように振り絞られたローの声に、ドフラミンゴは手を止めて熱で潤んだ彼の目を見つめる。



「お前の言うことは、いちいち恐ろしいなァ」



 薄まった湯に浸かっただけでもあれだけの寒さを覚えたというのに、それを直接かけられたのであれば、痛いだけでなく下手したら暫くは使い物にならなくなってしまうではないかと、ドフラミンゴは呆れたように溜め息を吐く。

 そんなこと知るかと言うように熱の籠った目で訴えるローに、ドフラミンゴは彼の望みのままに小さく震える自身に手を添えてやった。



「んっ…、ぁぁ…」



 そのまま包み込んで上下に手を動かしてやると、ローの目が細められて口から甘い吐息が漏れはじめた。

 快感を享受するように閉じられたローの瞼にキスを落としたドフラミンゴは、自らの唾液で濡らした指を昨日散々駆使した熱い奥へと埋め込んでいく。



「や…っ…、ぁああ…」



 前触れもなくいきなり侵入してきた指に、驚いたローが身体を跳ね上げた。



「ロー。そう暴れるな」



 別に傷つけたい訳ではない。

 ドフラミンゴはローに口づけながら、更に指を奥深くまで埋め込んで中を解していく。



「ん…っ…、んん…ぅ…」



 戸惑う舌を追い詰めて絡め取り、触れた手と指で刺激を与えてやると、上からも下からも水音が部屋に響きはじめた。

 ふるふると震えながら頭を振って逃げるローを追い詰め、十分に解したそこにドフラミンゴは怒張した自身を押しつけて、ゆっくりと沈めていった。



「ぁく…ぅっ、ん、ぁぁあっ…」



 唇を離したローが挿入の衝撃に声を漏らす。



「ぁっぁっ、ド…フィ…っ」



 この瞬間だけはいつまで経っても慣れないローは、手を伸ばして自分にのしかかるドフラミンゴにしがみついた。



「落ち着け、ロー。ゆっくり息をするんだ」



 きつくしがみついて震えるローにドフラミンゴはそう告げて、一度その動きを止めてやる。

 何度ローを抱いてもこの時だけは取り乱す彼に、宥めるように背中を撫でながらドフラミンゴはローが落ち着くのを待つ。

 ローの上体を起こして座ったドフラミンゴは、彼の頭を撫でながら耳許で囁いた。



「ロー、自分で動けるか?」



 まだ半分も入ってない自身に、ドフラミンゴはローにそう伝えて頭を撫でてやる。

 しがみついていたローが顔を上げてドフラミンゴを恨めしげに見ると、深く息を吐きながらゆっくりと腰を下ろしていった。



「ぅっ、ぁあ…あ…っ」



 自分のペースでドフラミンゴ猛ったそれを飲み込んでいくものの、常人離れしたその大きさはローにとっては慣れるまで苦痛だった。

 日頃から慣らされているとはいえ、時間を置けば受け入れるのにも苦労をする。

 途中で何度も止まりながら時間をかけてドフラミンゴを受け入れたローは、彼の胸に頭を懐かせて漸く落ち着いて息を吐き出した。



「良く出来ました」



「うるせェ…」



 子供を褒めるように頭を撫でてくるドフラミンゴにローは毒づき、いつもの匂いのする彼の胸に噛みついてやる。

 それを合図にドフラミンゴが緩やかに動きだし、再びローの呼吸を乱していった。



「んぁっ、あっぁあ…っ…」



 埋め込まれる分だけ、甘い声が漏れていく。

 お座なりにしていたローの自身にドフラミンゴは愛撫を加えてやると、両方からの刺激に彼の腰が震えて浮き上がった。



「ああっ、ドフィっ、ドフィ…」



 ドフラミンゴがローを逃がさないように片手で細い腰を掴まえて奥深く貫いてやると、ビクリと跳ね上がった彼が手の中に熱い欲を断続的に放って果てる。



「ぁ…ぅぁあ…、動く…なぁ…っ」



「フッフッフッ、それは無理だなァ」



 痙攣を続けるローを押し倒しながら、ドフラミンゴは果てたばかりの彼を更に追い上げようと腰の動きを早める。



「ゃっ、や…っ…、ぁぁあ…っ」



 敏感になっている身体に更なる刺激を与えられて、止まることを知らない熱に涙を溢したローがドフラミンゴの腕をきつく掴んだ。

 ガツガツと打ちつけられる振動が頭にも響いてきそうだった。

 大きく揺さぶられる身体に、抵抗する気も起きずに力を抜くと、摘まみ上げられた自身にローが目を見開く。



「ぁ…ぁっ、やめ…」



 こんな短時間で達するのは辛い。

 その動きを止めようとドフラミンゴの手を掴まえるが、上手く力の入らないローの手など何の障害もなく、先端部分をくにくにと押し潰しながらきつく擦り上げてきた。



「ぁぅ…っ、は…、あっあああぁ…」



 ドクンと脈打ったローの自身は再び熱を吐き出し、ドフラミンゴの腕の中にぐったりと身体を預ける。



「ロー。気持ちいいか?」



 腰の動きを止めることはせずにドフラミンゴがローに聞いてくる。

 全身の力が抜けたローは怠そうにドフラミンゴを見た後、荒い呼吸を吐き出した。



「も…、早く、終われ…ぇ…っ…」



 泣き言のように吐き出されたローの願いが叶えられたのは、お互いが汗や体液でどろどろに溶け合った頃だった。















「気持ち悪い…」



 風呂上がりでさっぱりしていたはずの身体は、怠さとベタつきを覚えて、ローは乱れたバスローブを辛うじて腰に巻かれた紐の部分だけを身に纏いながら、ぐったりと身体を投げ出している。



「フッ、なら風呂に入れてやる」



 動けないローの身体からバスローブを脱がせたドフラミンゴは彼を抱き上げて風呂場に向かい、湯気を立ち上らせる浴槽に2人揃って入った。

 数分後。



「アーーーッ! 冷てェーーーッ!!」



「フッフッフ、お前がしたことだろう?」



 風呂場にローの叫び声と、ドフラミンゴの笑い声が響いた。















END
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