BOOK
□好き好きキスして愛してダーリン
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さらりとした柔らかな髪が枕に触れて、前髪が流れる。
少し見えたローの額にキスを落とすと、コラソンはほんのりと赤く染まった頬に手を添えながら、再びその唇を塞いでやった。
角度を変えて何度も口づけ、薄く開いた唇の隙間から舌を滑り込ませてローの舌を絡めていく。
「ん…っ、ふぅ…」
逃げる舌を執拗に追いかけて吸いついてやると、閉じられたローの瞼が震えだした。
濡れる舌が吸い上げる度にビクリと反応を返してくるのに対して、コラソンはローの舌の裏を舐め上げると、軽くつついて舌を浮き上がらせる。
隙間が出来た舌の間を今度は横から絡めてその動きを覚えさせると、ローの舌がおずおずとコラソンの舌に絡んできた。
その反応にコラソンは頬に添えていた手の親指をずらして撫でてやると、更に舌を絡めてローを追い上げていく。
「は…ぁ…、ぁ…っ」
息継ぎさえままならない状態のローを、何度も深く口づけていたコラソンが解放してやる頃には、すっかり蕩けた表情を浮かべながら熱い呼吸を繰り返す彼女がいた。
「コラさ…」
飲み込みきれなかった2人分の唾液を口端から溢すローを舐めて綺麗にしたコラソンは、パーカーの間から手を滑り込ませてその腰を撫でてやる。
ぴくりと震えたローの身体。
首筋に唇を寄せて触れ、優しい手つきで確かめるようにローに触れていくと、徐々に身体の震えが大きくなっていくのに気づく。
「ロー、大丈夫だから」
耳元でコラソンはそう伝え、ローの胸を包み込む下着をずらしていく。
手のひらにすっぽりと納まるローの胸に指を滑らせた後、包み込むようにして柔らかく揉んでやると、コラソンの手にぷくりと主張しはじめた突起が触れた。
「ぁっ…」
痺れるような感覚に思わずローが声を漏らす。
自分でも聞いたことのない濡れた声に、ローは顔を紅潮させながらそれを抑えようと手で口を覆った。
コラソンはそんなローの反応を見ながらクスリと笑い、その手を取って口づけた後、上半身を覆う全ての衣服を脱がせてやった。
「あっ…、コラさん…っ」
泣き出しそうに顔を歪めたローを見つめ、コラソンは額を合わせながら口を開く。
「怖いか?」
優しく宥めるような口調に、ローは薄く目を開いて目の前のコラソンを見つめた。
「…こんなこと、本に書いてなかった…」
そりゃそうだろう。
ローの持つ医学書にそこまで詳しく書かれてあるとは思えないコラソン。
何をどう思ってこの行為を望んだのか解らないが、これから覚えていけばいいと思ったコラソンは何も言わずにローの胸元に唇を寄せた。
「ん…っ、ぁ…」
身を捩って刺激から逃れようとするローの柔らかな弾力のある胸を揉み、もう片方に唇を寄せたコラソンはその場所に舌を這わせていく。
「ぁ…っ、は…ぁ…コラさん…っ…」
艶かしいローの肢体と声に、コラソンの熱も次第に上がる。
やわやわと揉んでいるだけだった手を、主張する胸の突起に移してそこを指で撫でると、ローの身体がビクリと跳ね上がった。
「ぁあ…っ、コラさん、それっ…」
どうしようもない痺れと、感じはじめた腰の疼きにローの身体が強張る。
足をぎゅっと固く閉じ、もじもじしはじめたローの邪魔なズボンを下着ごと素早くベッドの下に落としてやると、羞恥に負けたローが腕で顔を覆って表情を隠した。
「ロー…、止めるか?」
今なら自分自身の熱も抑えられると、コラソンはローに聞いてやるが、彼女から返ってきたのは先を促す言葉。
「ヤダ…。止めない」
腕で顔を隠しながら首を横に振るローに、コラソンは苦笑しながら自分のシャツを脱ぎ去った。
直に触れたコラソンの素肌に、驚いたローが腕を避けて鍛え上げられた身体を見つめる。
何度も見ていたはずの身体なのに、今それが目の前にあって、これからその身体に抱かれるのだと思うと、ローはますます顔を赤く染めていく。
怖々と寄せた手で触れたコラソンの肌は、凄く熱いものに感じ取れた。
「ゃっ…、ぁ…っ、コラさんっ?」
次に感じた秘部への指の刺激に、ローは目を見開いてコラソンを見つめた。
固く閉じていたはずの足の間にはコラソンがいて、足を閉じることは敵わない。
指で撫でられる刺激と、くちゅりと聞こえた水音にローが頭を振った。
何度もその場所を撫でられて、胸を舌で愛撫されているローは半ば混乱状態に陥っていた。
興味本意でこっそり読んだ本にはそんな細かな手順など載っておらず、ただ裸で抱きしめ合って生殖行為をするという知識しかローにはない。
込み上げてくる熱と疼くような痺れに、どうしていいのか解らずにローはコラソンに腕を伸ばして胸への刺激を止めさせる。
「…大丈夫だから、怖がらなくていい」
コラソンは目の端から伝ったローの涙を舐め取り、片手で彼女を抱きしめてやる。
一度軽く口づけて落ちつかせると、呼吸を整えたローがコラソンにぎゅっと抱きついた。
その様子に微笑みながら、コラソンはゆっくりと溶けるように濡れたローの中心部に指を沈めていく。
「ひゃぁあっ、やぁっ…、なに…?」
疼いて仕方がなかった場所に感じる初めての感覚。
それがコラソンの指だと理解するのには多少の時間を要した。
「少し力を抜け、ロー。慣らさないと痛いだろ?」
「ぇ…ぁ…っ、ぅあ…」
ゆっくりと抜き差しを繰り返されるコラソンの指に、ローは混乱したまま言われた通りに力を抜きはじめる。
「やっ…、あぁっ、無理…っ」
けれど、次から次へと与えられる変則的な動きに、どうやって力を抜いていいのか解らないローは無意識にコラソンの背中に爪を立てた。
ぐちゅぐちゅとした濡れた音が耳に届き、居た堪れない気持ちになりながら腰を跳ね上げるロー。
「コラさんっ、コラさ…ん…っ」
ぎゅうぎゅうと指を締めつけて圧迫感を与えるローに、コラソンは困りながらも更に指の本数を増やした。
「んっ、んんぁ…っ…」
赤く染まったローの身体は熱をもって汗を流し、遣りきれない熱に涙も流している。
縋るようにしがみつくローの頭を身体を抱き寄せながら撫でた後、解れはじめてきた場所に更に指を増やして埋めた。
「あ…っ、コラさ…っ…」
呼吸すらままならないローに、自分自身の熱に今すぐにでも襲いかかりたい衝動になるが、それでもコラソンはその場所をなるべく優しい動きで掻き回して解していく。
「ロー…」
思った以上に熱く掠れた声が出る。
ローの名前を呼ぶと、胸に顔を埋めた彼女がこくこくと頷いた。
「も…っ、それ、いいから早くっ…!」
「ロー?」
しがみつきながら必死で言葉を紡ぐロー。
「もっ、早くコラさんの…っ、入れて…」
これ以上は気が狂いそうだと、懇願するように伝えられたローの言葉にコラソンの指の動きが止まる。
「だが…」
「い…っから…ぁっ…」
早くとせがむローに煽られたコラソンが、熱い中から指を抜いてズボンの前を開ける。
怒張した自身は熱く滾り、何度か擦って硬さをもたせたそれをローの入り口に宛がった。
「ロー…、力抜いとけよ…」
腰を抱き寄せてゆっくりと自身を沈めていくと、息を飲んだローの背中が弓形に反れた。
「───…っ…!!!!」
「…ロー…っ…」
とてもじゃないがこの締めつけに、一気に全てを埋め込むことは出来ず、拒むように熱く伸縮を繰り返すローの中からコラソンは少しだけ自身を引き、また同じように腰を動かして少しだけ埋めるという動きを繰り返していく。
「…っ…んんっ…」
「ロー…。ちゃんと息しろ…」
呼吸を止めて身体を強張らせるローに、しがみつく彼女の身体を少し離してローの様子を窺う。
きつく唇を結んで眉に皺を寄せるローに、コラソンは落ちつかせるように柔らかなキスを繰り返していった。
「は…っぁ…ん…」
宥めるようなコラソンのキスに、口を開いたローが荒い呼吸を繰り返す。
舌を絡ませられ、それに応えたローはコラソンとのキスに溺れていく。
頃合いを見計らい、コラソンは更にローの中に侵入すると、唇を離したローから嬌声が漏れた。
「んあぁぁぁ…っ…」
ぽろぽろと涙を溢してコラソンにしがみつくロー。
可哀相なまでに震えたローの身体を撫でて抱きしめ、コラソンは緩やかに律動をはじめた。
「コラ…さ…っ、ぁ…好き…」
「───ロー…っ…」
このタイミングでそれはないだろう。
初めて伝えられたローからの告白に、柄にもなく顔が赤くなってしまう。
「んな…可愛らしいこと、言うな…っ」
欲に負けて激しく求めてしまいそうだと、コラソンは汗を流しながら緩やかな動きでローの中を行き来する。
触れ合うお互いの肌でさえ、熱くて溶けてしまいそうだった。
重ねる肌から流れた熱は混ざり合って、もう誰のものなのか解らない。
「ぁあんっ、コラさん…っ、おれっ、なんか、身体…おかし…っ」
きゅうきゅうと伸縮して締めつける内部に、ローの身体が戦慄く。
限界が近いことを告げるローに、コラソンは汗で張り付いた髪を退けて額にキスを落とした。
「ロー。怖がらずに、そのまま感じてろ…」
そう伝えると、己の限界の近さもあってか、コラソンはローを抱きしめて腰の動きを早いものに変えた。
「ゃぁ…っ、ぁっぁあっ、コラさんっ…」
背中に感じる爪の痛みですら愛しく思い、コラソンはローの中を奥深くまで貫いた。
「あっっ…、ぁぁああ…っ…」
「ロー…っ」
ビクリと身体を跳ね上げてローが痙攣する。
慌てて腰を引いたコラソンは、ローの腹の上に白濁した欲をぶち撒けた。
「はっ、はぁ…っ…」
荒い呼吸が部屋の中に響く。
コラソンは備え付けのティッシュでローの身体の汚れを拭き取ってやると、ぐったりとベッドに沈む彼女の頬を撫でた。
「ロー…、大丈夫か?」
結局手を出してしまったと、今更ながら自責の念に駆られて項垂れるコラソン。
これからどうやって暮らしていけばいいのか頭を悩ませていると、うっすらと目を開いたローがコラソンを見つめて頬に手を添えてきた。
「…おれ、コラさんとこうなれて、嬉しいから…っ…」
「………」
「だから…、これからも宜しく…っ」
そう伝えながら微笑むローに、グラリとコラソンの心が揺れた瞬間。
これから先の時間は、恋人たちの暮らし。
END