present

□海に揺蕩う月は闇にも映える
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 熱い息を漏らしながらお互いの舌を絡み合わせ、濡れた音を部屋に響かせる。

 触れた肌は過敏なほどに反応を示し、鼓動を高まらせた。

 艶やかな動きで腰を揺らしながら、コラソンの身体の上でローが躍る。

 何度も深くまでコラソンを飲み込み、それでもまだ足りないというようにローは脚を開いてもっと熱をとねだる。



「あっんん、はあぁっ、コラさん、まだ…っ…もっと…」



 快楽の波に意識を揉まれながら、ローはコラソンにしがみついて秘孔を収縮させた。



「っ、ロー…、絞めすぎだ」



 ローの腰を抱き寄せて根元まで自身を打ち込み、コラソンは暴走しそうな熱を落ち着かせる為に深く息を吐き出す。



「あっく…ぅっ、だ、だって…」



 動きが止まってしまったことに我慢が出来ないのか、ローはふるりと身体を震わせた後で腰の動きを再開させた。



「だって、何だ?」



 ローを好きに動かせながら汗で額に張りつく前髪を退けてやり、赤く染まった頬に指を滑らせる。

 貪欲なまでに快楽を求めて腰を動かすローは、随分と自分好みに育ったと思う。

 光源氏計画をしていたつもりはないが、実際問題、まだ幼かった彼にこうなるように手解きをしたのは紛れもない自分なのだから、ローに対してますます愛情が深くなっていくのを感じる。

 愛しさが募って額に唇を落とすと、ローが上を向いてコラソンを求めた。



「まだ…足りないっ、コラさんっ!」



 切羽詰まった表情でコラソンを求めるローは、あの日から様子がおかしい。

 本人は酔って記憶がないみたいだが、身体は覚えているのだろう。



「…ロー」



 コラソンは居た堪れない思いで深くローに口づけ、律動を再開させた。

 その時、丁度部屋の扉が開かれ、男がこちらに近づいてきていたのに気づき、コラソンは驚いて声を上げる。



「ドフィっ!? クソッ、なんで…!」



 黒いスエットパンツに白地のTシャツ、その上に黒いカッターシャツを着崩した出で立ちのドフラミンゴが、全裸で抱き合うコラソンとローを面白そうに見つめている。



「あ…、なっ…? ドフラミンゴ…」



 ビクッと身体を竦ませたローが背後のドフラミンゴを振り返り、泣き出しそうな顔を見せた。

 ローは動くことが出来ず、余韻に震えながら息を吐き出す。



「フッフ。ロー、お前らの関係は知っているから安心しろ。お前は忘れているみたいだからな。この間のことを思い出させてやろう」



「えっ…な…!? ま、待って…」



「コラソンだけじゃ、満足出来なくなっているんだろう? なァ、ロー」



 ドフラミンゴはそう言いながらベッドに腰を降ろし、背後からローを抱きしめて胸を弄ってやった。

 瞬間的に背中を震わせて肩を跳ね上げるロー。



「ああっ、や…、こんな…、こんなの…っ…」



 キツすぎる絞めつけと込み上がる嫉妬からコラソンは顔を歪め、ローの肩を引き寄せた。

 コラソンは睨みを利かせてドフラミンゴを見遣るが、そんなことで引くような男ではない。

 反対に笑みを深くしたドフラミンゴは、指に力を込めてローの胸を摘まみ上げた。



「ひっ!? やぁっ、やだ…っ…、やめろっ…!」



 後ろを振り向くことを許されないローは、コラソンの胸に顔を埋めながらドフラミンゴに抓られた痛みでカタカタと身体を震わせ、その指を除けようと手を伸ばす。

 けれどドフラミンゴの大きな手はローの指を簡単に捕らえ、玩ぶように胸の先端を嬲り、片方の手で濡れた自身を掴ませて共に擦り上げてやった。



「んやあっ、あ、あっあぁっ」



「ほら、続けてやれコラソン。このままだとローが辛くなるだけだぞ?」



 コラソンは軽く舌打ちをし、ローを自分に抱きつかせながら体勢を整え、下から熱い身体を突き上げてやる。

 腰を持ち上げられて体内を貫かれ、背後からは胸と共に自身を嬲られて、襲ってくる快感に堪えられずにローはコラソンの腹に向かって白濁を迸らせた。



「ひゃああぁあああっ、ああぁ、やあっ、もう離し、はな…して…っ…」



 ビクビクと波打つ身体はまだ解放されず、悪戯に熱を与え続けられているローはコラソンの上で暴れ出した。



「っは、ロー…ッ!」



「んくうっ、あ、あぁぁっ」



 腰を押さえ込まれ、コラソンの熱を叩きつけられたローの身体がビクビクと震える。

 ずるりと抜かれたコラソンの感触ですら身体を震わせる材料でしかなく、埋め込まれていたものがなくなった場所はヒクヒクと伸縮を繰り返していた。



「んあぁあっ!? なっ、ま…待って、な、に…っ、だめっ…!」



 ドフラミンゴに下肢を抱えられたローは今までコラソンを受け入れていた場所に熱が侵入してきたことに驚き、後ろを振り返ろうとして身体を捩った。

 けれどそれはコラソンが許さず、ローの上半身を抱きしめて首筋に噛みつく。



「ひっ、ひあぁっ、や…め…、やっ、やだぁっ」



 何がどうなって今ドフラミンゴに抱かれることになっているのか。

 それもコラソンの目の前で。

 思い出させてやろうと言ったドフラミンゴの言葉から推測すると、自分との間にこういうことがあったのが解るが、記憶にないローはただ頭を混乱させる。

 達したばかりで過敏になっている体内に楔を打たれ、狂おしいほどの抽送がローを乱れさせた。

 打ちつけられる度にローの自身から白濁が飛び散る。

 コラソンは首や鎖骨を甘噛みしつつ、胸に唇を移動させながら紅い所有印を残していった。



「フッフッフ、ロー、悦がりまくってるじゃねェか。コラソンだけじゃ物足りなくなっていたんだろう?」



 緩やかなストロークでローの中を行き来し、ドフラミンゴは白濁を放ち続ける自身を捕らえて、先端をぐりぐりと指の腹で撫でてやる。



「ひいぃああっ、やらっ、やめてぇっ、やぁぁあ」



 もはや自分の身体ではないみたいだ。

 甘い痺れが身体だけでなく頭までも犯して、力を失ったローはコラソンに雪崩れ落ちる。

 ドフラミンゴに上半身を起こされ、膝に座る体勢になったローは目の前のコラソンに胸を舌で舐められて頭を振った。

 涙と飲み切れなかった唾液が伝い落ち、コラソンの顔を濡らす。



「あ、はっ…、こあさ…っん、おれ、もっ」



 ぐずぐずになったローが泣きじゃくる様子にコラソンはドキリとしながらも、頬にかかった涙と唾液を舐め取り、ドフラミンゴの指を除けてやった。



「ロー…、可愛いな、お前…」



 泣き顔にキスをしたコラソンは、そのままローの下半身に顔を埋め、止めどなく蜜を溢れさせる自身を口で銜えて舌で愛撫をしながら啜ってやった。



「ひぐっ! んんっ、やぁだっ、んやあぁぁん」



「フッ。凄い乱れ様だな、ロー。もっと感じろよ」



 ローの感じる場所を知ったドフラミンゴは重点的にその場所を自身で抉り、片手を胸に回して突起を捏ねたり抓ったりしてやる。

 コラソンももう片方の手でローの胸を嬲り、自身に軽く歯を立てながら上下させた。



「ああーっ、あっ、やぁ、あーっ!」



 啼くことしか出来ないローは狂ったように喘ぎ、2人の間でガクガクと身体を揺さぶられ続けた。

 いつ解放されたのかは解らない。

 ぬるま湯に身体を清められ、焦点の合わない目でローは白い天井を見つめていた。

 泣き叫び続けた喉が焼けるように熱い。

 余韻が治まらない身体は、まだ熱を燻らせているようだった。



「なんか…飲みたい…」



 掠れた声で呟くと、両サイドに寝ていた2人がガバリと起き上がってローを窺った。

 無茶をさせたという自覚はあるらしく、コラソンはオロオロとしているし、ドフラミンゴはいつもの覇気がない。

 未だに甘く痺れる身体に文句のひとつも言ってやりたかったローだが、それ以上に喉が渇きを訴えていたし、脱力感が半端なくて動けそうにない。



「ドフラミンゴ…何か作って」



 こうなったら、とことん甘えてやろうと、ローはそう考えることにして要望を口に出す。



「あ、ああ。何がいいんだ? チチか? スリッパリー・ニップルとか、セックス・オン・ザ・ビーチとか、ゲイ・トリップ、オーガズムでも何でも作ってやるぞ」



「…ドフィ」



「何なんだよ、そのチョイス。何でもいい。冷たいのがいい」



 次から次へと飛び出す変な名前のカクテルにコラソンは呆れ、ローは笑う。



「じゃあ、フラミンゴでも作ってくる」



「ぶはっ!」



 そう言い放ったドフラミンゴに、ローは堪え切れずに噴き出した。

 部屋から出て行ったドフラミンゴが戻るのは、まだ少し先だろう。

 ローは自分を見下ろすコラソンを見つめ、ニヤリとした笑みを浮かべながら口を開いた。



「コラさん、おれに言い訳するなら今の内だぜ?」



 ローの言葉に、コラソンはサーッと血の気が引くのを覚えた。















END



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