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□LIKE AND LOVE
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「なぁ、コラさん」



 いつもと何も変わらない日常。

 隣にはいつも当たり前のように貴方が居てくれる。



「おれさ…」



 大きな手が、好き。

 いつも優しく抱きしめてくれる温もりが好き。

 伝わる鼓動が好き。

 自分にだけ向けられる柔らかな眼差しと、その声が好き。

 何もかもが好き。



「どう伝えればいいのか解んないんだけどさ」



 言葉だけでは足りない。

 だから、その大きな身体に抱きついて温もりを感じ取る。

 そうすれば、いつも貴方は優しく抱きしめ返してくれるんだ。

 好きすぎる想いが溢れて泣きそうになる。

 今の自分を貴方だけが優しく受け止めてくれる。

 貴方だけは失いたくなくて、抱きつく腕に力が入ってしまう。

 何も言わずにいつものように笑みを浮かべ、貴方はおれの頭を何度も撫でてくれるから。

 それが嬉しくて涙が溢れてしまう。



「ずっと傍に居たいんだ」



 離れたくない。

 もう、失うのは嫌なんだ。

 それが大好きな人なら、それが大切な人なら当たり前だろう?

 貴方はいつも言葉では答えをくれないけれど、温かな優しさで応えてくれる。

 貴方と共に過ごせる一秒ですら大切な時間で、毎日の変わらない日常が特別に思えるんだ。



「コラさん。好きって言葉だけじゃ上手く伝えられない」



 伝えきれないもどかしい想い。

 溢れ出した涙は長い指で拭われて、見上げると少し悲しそうな笑みを浮かべた貴方が居た。



「それは愛してるって言うんだ、ロー」



 言葉と共に伝わる額への口づけ。

 それがとても神聖なものに思えて、余計に涙が溢れた。

 好き。

 愛してる。

 この想いは二人同じなのだろうか?

 だとしたら、たった一つでいいからお願い。



「愛してる、コラさん」



 このままずっと離れずに貴方と二人で共に生きていけますように。




















初めて触れ合ったおれと貴方の唇は、涙の味がした。










END

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