Terro-rhythm(仮)

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「な、なんでこんななっちゃってんの??」
「え、だって天くん、女子見ただけで勃つんでしょ? 僕、もうけっこう触っちゃってますし」
 ええと。あのペロペロとか、このサスサスとかで。勃っちゃうわけ?
「ふ──ふざけてんのかと……」
「あはは。出た、ノンケ脳」
 ノンケ脳って何? あ、やば。意識しだすと、急になんか、非常にいかがわしいことをされているような気持ちに。なってきた。
「あ。ピクンてした。……ひょっとして、相手がよさそうなの見ると、自分も興奮してきちゃうタイプ、ですか?」
 それは、ちょっとあるかも。
「仕方ないなぁ。──見せてあげましょう」
 見せてあげるとは? と、盛大にヒいているオレには構わず、田中(仮)は、あっさりと、ベルト緩めて、あっさりと、ズボンを下ろす。身体細いわりに、けっこう──
「……デカいね」
 どうも、って、にっこりして、ベッドに、脚を、開いて、座る。
「わ!?」
 人体の最もプライベートな部分を、いきなり見せつけられちゃってるだけで、相当、刺激強いのに。その、丸見えの、いけない穴に、田中(仮)の、長い指が伸びる。
(自分で指、入れちゃうとか──)
「見えます、か?」
 見、えます。
 綺麗な中指は、そのままずぶずぶと、根元まで埋まり。ゆっくりと、出たり入ったり、する。
「──……痛く、ないの?」
 田中(仮)は、閉じてた目を薄く開いて、誰にそんなこと聞くんですか、って笑う。
「今、天くんの前でオナニーしてる、おじさんはね。若かりし頃には、このカワイイお尻で百人斬りの偉業を達成したという、伝説のパパさんキラー、なんですよ……?」
 百人。てことは、少なくとも、百回。そこに、アレが、出入りしたわけで。わ、いつの間にか指、三本になってるし。ほんと、拡がっちゃうんだな──楽々、呑みこんでるし。
「天くん……そんな見ないでよ……嘘……やっぱり見て……見て……」
 あ、あ、あ、って。甘い声上げて。嘘だろ、自分の指でシて、声でちゃうくらいイイって、どういう状態? 淫乱? あ、そうか、それか。ホンモノの淫乱の人か?
「天くん……意地悪なこと、考えてるでしょう……?」
 オレの思考を見透かしたように、田中(仮)が笑う。いや、意地悪っていうか。
「や。すげぇ、ヤらしいな、とは、思ってるけど──」
 ビクン、と、田中(仮)の腰がはねた。バック、だけで、こんな感じちゃうもん? つうか、そうか、大統領と、ヤるとこまで漕ぎつけるためには、俺も、こんくらいに、ならないと──
「お手本……見せてくれてる、わけ?」
 ふふ、って、田中(仮)は笑って。喘ぎの合間に言葉を出す。
「──こんな、おじさんの、で、申し訳、ない、です、けど、ね……」
 ぁあ、って、苦しげに眉を寄せて、気持ち良さそうに身をよじる、田中(仮)は。
(ちょっと──色っぽい……?)
「──なんで、自分のことおじさんとか言うの?」
「ん……?」
「全然おじさんじゃないじゃん。二十代だよね? 綺麗(びじん)だし──」
 ん、ん、んん……!って、突然のけぞるから、びっくりして言葉を切る。
「あ、もう……イっちゃうトコだった……天くん、すごい意地悪だ……」
 ────は!?
「なんで? 思ったこと言ってるだけじゃん。顔、綺麗だし、スレンダーだし、オシャレだし。あと……なんつうか、色っぽい?し、さ──」
 そんなおじさんいねぇよ、と、言おうとしたのに。言い終わる前に、あ、ダメ、それ、イイ……って。これって、ひょっとして、オレの言葉で、感じちゃってる?
「自分で、お尻触って、感じまくっちゃって。すげぇ、エロいし。その、エロい顔が、また」
 はァ、は、は、って、田中(仮)の息づかいが、どんどん激しくなっていく。
 オレ、これ、たぶんだけど──
(挿れるほうなら、できる。──かも……)
「カワイイし……」
「──あ……!」
 田中(仮)は、最後にひときわエロい顔を見せたと、思ったら。触ってもいない棹の先から、とろとろとろ、って、白いのを滴らせて、がくがく震えた。
(──マジで、カワイイんすけど)

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