【更新中】〈練習帳シリーズ〉

□  〈幕間〉『開いたゴマの行方。』2
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【銀河目線/イッコ前のつづき】

「まあ、100パーてとこまではいかんにしても、98パーくらい、ナシやね」
 身内だけあって、ナツはシンラツや。
「伊丹さんは、自分があんたを好いてはるよって、みんながカワイイて思うて決めてかかっとるんちゃうの? そらカンタはゲイワールドではもってもてなんか分からんけど、高校時代から知っとるうちに言わせれば、女の子とはすぐ友達なってまうから意外とモテへんし、ましてストレートの男らからはまるっきりおサルちゃん扱いされとったもんな。可愛さのジャンルが違うねんて」
「そんな言い方するか? ナツかてオレを好いとったて言うてたやんか」
「アホやな、うちに好かれとったてこと自体、一般ウケせぇへん証拠やないの」
「う」
 思わず、深く納得してしまう。
「どっちにしてもなァ、ほんまにやァらしい気持ちで言っとるわけやないにしても、ドリさんのあの下ネタのボキャブラリは、女の好きなオトコのもんやて思うけどなァ。うまいこと女子に、“いややわァ、このオッチャン”て思わせるとこついてくるやろ。そういうん、想像だけではできひんもんちゃう?」
「せやなァ」
「それにな、ひなこ、ドリさんちにおったんやったら、アレちゃうの?」
「アレてなんや」
「ほら、押し倒しに行ったんちゃうの? それが一番ハヤいて言うとったやん」
「言うとったのはお前やろ。ひなこちゃんに限ってそんなん……」
 あるか?て、思うけど。ふだんおとなしィにしてる子ォの方が、思いつめたらダイタンなことしそうやて気ィも、少しする。
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