09/19の日記
15:21
モンキー・パズル。
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ポーラ・ゴズリング著
秋津知子訳
(ハヤカワ文庫)
『モンキー・パズル』
猛烈刑事ストライカーシリーズの一冊目。
本文中では「モーレツ」とカタカナ表記。
翻訳された時点でおそらく20年くらい前、
きっとクールな表現だったのだろうと思う。
こういう、古くなった時にやや違和感を覚える
可愛らしい言葉が好きだ。
リバイバルさせたい、「モーレツ」……。
【エイキン・アダムソン。】
物語開始時には死んでるが。
連続殺人事件の最初の被害者。
「ヤな奴すぎて関係者全員に動機が……」
という本格ミステリに欠かせない人材。
おまけにその関係者、十二人とかいるんだぜ。
しかもそれぞれの容疑者に別々に、
バラエティに富む嫌われ方をしているので、
これはもう、
嫌われ界のレジェンド
と呼んでもさしつかえないと思われる。
カミングアウトしてないけど、
周囲のみんな気づいてますよ、
気づいてましたよ、
という感じのゲイなんだけれど、
それ周辺のエピソードも含め、まるまる
「いけすかない!」
愛せませんよ、いくらなんでも……。
ただそれは(↑)ストーリー上の必要によるもので、
この作者の筆致とか視点はいつもあたたかくて
好き。
同じ作者の『ブラックウォーター湾の殺人』以降には、
ご町内に素敵なゲイカップルが登場するので、
「ヤなヤツじゃないほうが良いです」
という向きには、
そちらがオススメです。
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