夢小説
□#6 女の子の秘密
1ページ/3ページ
海南ーっ!ファイッ!!!
いつもの様に放課後、体育館からは熱のある声が聞こえてくる。
今日は後半の時間、もうすぐ近づいてくるIH予選に備えて練習試合をすることになっている。
練習のタイムを測ったり回数を数えながら色分けされたゼッケンを用意したり、ドリンク、タオルなどマネージャーの仕事を名無しさん1人でこなすのはなかなか重労働なのだ。
「すいません監督、ちょっとトイレに行ってきます!!」
前半の練習が終わり、キャプテンが終わりの合図を出すようにマネージャーに笛を吹くよう名無しさんを探すが姿がみえない。
キ「(仕方ないな)前半の練習は終わりだ!!!」
キャプテンが大きな声で叫ぶと、部員はドリンクを求めてコートを後にする。
トイレから帰ってきた名無しさんは皆がドリンクを手にしてるのに気づき、急いで駆け寄りドリンクを渡す。
「すみません!!!…牧さん、お疲れ様です。…はい、神君のドリンク。」
神「ありがと。名無しさん、どこ行ってたの?」
「トイレ…」
神「今日はよくトイレに行くね、名無しさん。」
神は名無しさんとクラスが同じ為、授業中に彼女が何度もトイレへ行くのを見ていた。
「う、うん…」
…まさか生理で、なんて男の子の前で言えないよね。
牧「ん?名無しさん気分が悪いのか?」
そう言って牧は名無しさんのおでこに手を当てて熱を測る。
「っ…////////!?」
牧「熱は…ないようだな。あんまり無理するなよ?」
「…は、はぃ…。」
赤くなった顔を見られないように俯く。
神「名無しさん…?」
両手で名無しさんの頬を優しく包み、俯く顔を上げキスされてもおかしくない距離に神の顔がある。
「…/////// 神…くん?」
見つめ合う2人。
神は目をそらさない。そして微笑み
神「辛かったら言ってね?俺らは名無しさんのお陰でプレーに集中出来るんだから。いつでもマネージャー業の助けはするからさ。」
そう言って、後半の練習がはじまるとコートの方へ走っていった。
…なんなんだろう。牧さんといい、神君といい…心配してくれるのは嬉しいけど、こんなんされたらドキドキしちゃうじゃん。
ま、でも心配させる私が悪いんだよな。
後半の練習試合がはじまり、名無しさんは得点板をめくる。
2年生なのに先輩相手にも遠慮せずガツガツいく牧の姿に目がいく。そんなハイレベルなメンバーが沢山いるからか神に目立ったプレーはない。
華やかでありエネルギッシュなプレーをする牧を見ていると、先程のことを思い出してしまう。
牧さんの顔が近くに…//////
ーっ!!!!!!!!
そう思うのも束の間、激しい腹痛が名無しさんを襲う。
また皆に心配されちゃダメ…痛みで屈んでしまいたいけれど、皆が必死で練習をしているのに自分1人の為に中断させるのは絶対出来ない。
そう思い、涼しい顔を装って得点表をめくるが冷や汗が顔を流れる。
ー…もう…だめっ…
激痛に耐えられず、その場に屈んでしまう。
牧「ー!!?名無しさん!?」
さっきまで激しく動いていた牧が大声を出して名無しさんの方へ駆け寄る。
牧「名無しさん、大丈夫か?」
「はい…すみません…。私は大丈夫なので、練習を…。」
牧「何言ってる!普通に立てないじゃないか!
キャプテン、名無しさんを保健室へ連れて行ってきます。」
名無しさんをひょいと抱き上げ保健室へ向かった。