夢小説

□#4 マネージャーとして?
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「今日からマネージャーとして海南大付属バスケ部が全国制覇に近づけるよう精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!」


大きく元気な声と爽やかな明るい笑顔をして、バスケ部のメンバーに挨拶をした。

少しの間、マネージャーがいなかった時期は特に新入部員がマネージャー業を分担しており、日々のきつい練習に加えて行っていたので、それがなくなると思うと喜んでいた。
加えて可愛いマネージャーが入り練習にも熱が入ると口々に述べていた。


パンっ!と手を叩くと
「今日も練習気を引き締めていくぞ!海南ーっ!ファイッー!」とキャプテンの一言で練習がはじまった。

活動初日の名無しさんは、部員からテーピングやスコア表など事細かに何がどこにあるか今後自分一人で行う仕事を教えられていた。


ピ、ピーッ!


仕事の説明が一通り落ち着き、ゲームの審判を任されていた。
先輩の動きについていけない1年生達。自分だったらこうするのに、と苛立ちを募らせる名無しさんだが、自分はマネージャーなのだと熱を下げる。

そんな彼らの中には牧や体の大きな先輩達に弾き飛ばされる神の姿があった。

神くんは本当にセンターに向いているのだろうか…?
中学まではセンターで通用していたかもしれないが、高校で、しかも全国を目指すのであれば尚、その疑問が強くなる。
もっと彼を、センター以外でも活かせるポジション…。

そう考えているうちに、ゲームは終わり、その日のメニューも終わった。

1年生は残って床を磨いている。名無しさんも一通りの仕事を終え、モップを手に取り床磨きを手伝う。まだ入学して1週間程だが、既に新入部員は減っていた。


「神君さぁ…」


ポジションを変えてみるのはどうか?と提案するつもりだったが、それは神のプライドを傷つけてしまうのではと口を噤んだ。


神「ん?何、名無しさん?」

「ううん。神君、バスケ大好きなんだね?見てて凄く伝わってくる。」

神「うん、大好きだよ。それに名無しさんも見てくれてるから、頑張ろうって思えるし。絶対に名無しさんを全国に連れて行って…そして全国一番の景色を見せてあげるんだ。」

何の迷いなく素直に夢を語る神に名無しさんはいつものようにふざけたリアクションで返すことができなかった。大きく澄んだ目には熱いものがある。
神の夢が自分と一緒に叶えたいということが嬉しくて、掃除する手を早めた。



やっと終わったー、と一息つき1年生は部室へと戻っていく。
神もそれに続けて足を運ぼうとした時、監督の高頭から呼ばれて何か話していた。

「…ーはとうていムリだ。」と監督が難しい顔をして言う。それに顔色一つ変えず聞いている神。
しかしその時、グッと握り締める拳を見逃さなかった。

気になったので、監督に何を話されたか聞きに行こうと神の元へ向かおうとした時、彼の方から名無しさんへ歩み寄り


神「名無しさん、一緒に帰ってくれない?」

と微笑みながら言ってきた。
名無しさんは頷くと、正門で待ち合わせね、と言って別れた。
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