夢小説

□#2 私の全て
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約束通り、牧さんは私をおぶって校門まで連れてきてくれた。
その横には神も心配そうな顔で歩いている。

門の前には白のベンツが止まっている。そこから


母「あらあら、ごめんなさい。うちの名無しさんが。」
と言って名無しさんの母が降りてきた。


牧「いえ、僕の所為で娘さんに怪我を負わせてしまってすみませんでした。」
と深々と頭を下げた。


「お母さん忙しいのにごめんね。
えーっと、こちらが海南大バスケ部の牧さんで、こちらが神君。神君はクラスも一緒なの。」


母「あら、早速お友達が出来て良かったわね。はじめまして、名無しさんの母です。」


神「はじめまして。神宗一郎です。名無しさんに似てお母さんも綺麗なんだね。」


「神君、それ口説いてるのー?」


神「はははっ、そうかもね。」


牧「牧紳一です。よろしくお願いします。」


母「皆礼儀正しいのねぇ。あ、そうだ皆でウチに来ない?沢山ご飯作っちゃって…明日またアメリカに行かなきゃなかないから残せないのよ。どうかしら?」

今日会ったばかりの人を家に呼ぶのはどうなのだろうと思ったが、ご飯を残すのは気が引ける…


「急なお誘いですみません。もしよければ。車で10分位ですし。」


牧「あぁ、じゃあお邪魔させて頂こうかな。」

牧は意外と誘いを断れない方で、それに名無しさんの過去を知りたいということもあった。


神「行きたいけど、俺自転車あるからなぁ…」

と残念そうに言うと


母「今日泊まっていく?そしたら明日の朝、学校まで送るわよ?」


「うん、もし神君が大丈夫ならウチに泊まっていきなよー!お泊まり会楽しそうだし♪」


神「え、いや…それはさすがに気が引けます…。」


「宗ちゃん…」


と いつの間にか牧の背中から降りた名無しさんは神の腕を両手で掴み下から見上げ少し目を潤ませながら神を見ていた。

そんな顔をされたら断る方が難しい。

神「じゃあ、お言葉に甘えて…。」


「やったぁー♪牧さんも!!」


牧「お、俺もか?!」


「そうですよー、旅は道連れって言うじゃないですかー!」


さっきの真剣な表情でバスケをしていた人と同じ人間かと思える程のギャップに驚く牧。
でもこっちが普段の彼女の姿なんだとホッと胸をなでおろす。


母「もうごめんなさいね、お二人とも。名無しさんのワガママに付き合わせてしまって。」


と言って皆車に乗り、名無しさんの自宅へと向かった。
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