夢小説
□#6 女の子の秘密
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牧「部活のことは心配するな、今は休むんだぞ。帰りには迎えにくるからな。」
高頭先生や保健室の先生はすぐに帰宅するよう話したが、すぐに良くなると頑なに帰ろうとしない名無しさんの態度に負け、保健室で休ませることにした。
ガラッ
神「名無しさん?」
部活終わりの神と牧が心配そうに保健室へ入ってきた。
「ごめんね、最後まで部活出れなくて。」
神「大丈夫だよ?気にしなくて良いよ?それより体調は大丈夫?」
「うーん…」
牧「すまんが名無しさん、今日は神に送ってもらう。自転車の方が早く着くだろ?立てるか?」
そう言って名無しさんの着替えや荷物を渡す。
「制服に着替えるので…////」
いつまで経ってもその場をどかない牧に、神がコホンと気付かせる。
あぁ、すまんな。と言ったのを確認した後にカーテンを閉め着替える。
牧さんって意外に天然…??
着替え終え帰ろうとするが痛みは無くならないためか顔が青ざめている。そんな姿を見て
神「ほら。」
名無しさんに背を向け屈み、上に乗るよう促す。
「えっ!?…でも重いし…」
神「ほら名無しさん、帰るよ。」
優しい神にありがとう、と言い上に乗る。
自分を負ぶってくれる神の背中が広く感じるのに驚く。普段は華奢に感じるのに、骨格は男子ならではのしっかりしたつくりになっている。
神「自転車持ってくるからここで待っててね。」
校門で神を待つ。
牧「ごめんな、名無しさん1人に沢山の仕事を押し付けてしまって。」
「いえ。今日は練習の邪魔してしまってすみませんでした。それにマネージャーの仕事は大変だなんて思いませんし。」
牧「力になれることがあればいくらでも言えよ?」
「じゃあ…」
牧「ん?」
「私を全国に連れて行ってください!全国でプレーする牧さんの姿が見たいです。」
牧「もちろんだ!そのために明日の練習も頑張るぞ!!名無しさんが入ってくれて、部活のメンバーはより練習に集中出来てるんだ。去年よりも良い結果になるに決まってる。」
そう話していると神が自転車を押して2人の方へ歩いてくる。
神「おまたせ名無しさん。」
「お世話になります。」
神「お世話します♪じゃあ牧さん、名無しさんを送ってきますね。お疲れ様でした。」
ニコっと笑いペダルを漕ぎはじめる。
「お疲れ様です!」
牧「おう!お大事にな。」
名無しさんは神の後ろに横向きに座り、彼の腰に腕を回す。
具合が悪いことに気を使ってか神はいつものように話してこない。
2人の間の沈黙…
しばらくして神が口を開く。
神「今日、牧さんに顔赤くしてたでしょ?」
「なっ///////?!違うし!!」
神「そうかなー。そうだと良いけど。俺にもドキっとした?」
「…ひ、ひみつ。」
神「ふぅ〜ん。」
「それより、頑張ってよね?もうすぐIH予選なんだから。スタメン…」
神「うん!名無しさんと一緒に全国に行くんだもんね!」
そう話していると名無しさんの自宅に到着した。
「送ってくれてありがとう。ごめんね、部活で疲れてるのに…。」
神「ううん、早く元気になってね!名無しさんの笑顔がパワーになるんだから!」
そう言って手を振り、自転車に乗る。
なんで神君は恥ずかしいことを簡単に言えるんだろう。
耳が熱くなるのを感じながら、神に手を振る。
バフッ
とは言っても1週間は元気になれないよ…とベッドに倒れこみ凹む。
明日病院に行ってみようかな。