夢小説
□#4 マネージャーとして?
2ページ/2ページ
後ろに乗って、と言われ名無しさんは神の後ろに立つ。自転車を漕ぐ彼の肩に手を置きバランスをとる。
「神君、さっき監督と何話してたの?」
ん?と濁し、あまり話したくないんだと受けとる。
「話したくなければ良いんだけど…ほら、私今日からマネージャーになったし。ただのクラスメートじゃないからさ。」
神「クラスメートにマネージャー…その他には?」
「え?!その他って?…うーん…親友??」
神「それもいいけど、恋人っていうんじゃないの?フツー。」
笑いながら恥ずかしいことを言う。でももう慣れた。
「何でいつも神君はそうやってからかうのー?」
2人で笑い合う。しかしそのうち、笑いがなくなりお互い無言になる。何だか気まずい…。
神「さっきね、おまえにはセンターは到底無理だ!って監督に言われてさ。」
そうだったんだ…でも申し訳ないけど、私も監督と同じことを思ってた。
「ごめん…私も…そう思ってた…。」
何も反応のない神。また気まずい雰囲気が漂う。
…きっとプライド傷つけたよね。自分のプレーを少ししか見てない、しかも女子に言われるなんて。自分だったら、そんな奴突き飛ばすもん。
神はこれといって秀でたものを持っているわけではない。でも彼には内に秘めた熱いものがある。
「私ね、今日ずっと考えてたんだけど…神君、シューターってどう思う?」
神は私と似ていると思った。自分も飛び抜けた跳躍力を持つでもなく、考えなくても動ける天才的なバスケ脳を持つでもなく、本当の凡人だった。けれどバスケに対する熱い思いで日々の練習に打ち込んだ。そして見つけた自分の居場所。それがシューターだった。
神「シューターって…名無しさんのポジション…だよね?」
「何でそれ知って
神「俺、これからNo.1シューターを目指すよ!!」
「神君?」
神「これから毎日シュート練習する。」
「本当にそれで良いの?私の一方的な意見だし…」
神「ううん、凄く的確な意見だよ?実際、どう突っ込んでいったって牧さんや高砂さんに吹っ飛ばされてばっかりだし。監督も名無しさんと同じこと言ってたから。このまま意地張ってセンターやってても、名無しさんとの約束果たせないからね。」
さすがバスケ界のダイヤモンド、見抜くねー?と今までの気まずい雰囲気を払拭する。
「約束って…全国制覇?」
神「そう!名無しさんと一緒に叶える夢!!」
「神君…」
そう言って、神の肩に腕を回しギュッと抱きしめた。
2人を乗せた自転車は公園にとめられていた。
ダムダム…シュッ
さっそくシュート練習をはじめたのだ。
「ここからだと、更にリングに近づけるための力が必要だからー」
アメリカで活躍していた名無しさんもシューターとしてなら教えられる、とアドバイスを送る。
「何本やるの?」
神「うーん、そうだな…500本!」
にっこり笑いながら答えると、2人は黙々とシュート練習に時間を費やした。
この日から神は部活の練習に加えて毎日欠かさず500本のシュート練習を続けるのであった。