Secretstory

□SecretstoryT
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「知り合いなの?」



聞いた素振りではなく、君も知っているだろうと言わんばかりのホームズの口調ににワトソンは首を傾げた。







「ホールダー&スティーヴンスン銀行は知ってるかい?」




「ああ、大英帝国で2番目に大きい銀行だよね?」





「そこの『一番お偉いさん』の息子だ。」




「……………ええええええええええええええええ!!!」





「ワトソン。静かに、廊下に聞こえてしまう。」



「ご、ごめん。なんだってそんなおぼっちゃまがクーパー寮に?ディーラー寮クラスじゃないか!」


「まだそれは解らないが、もちろんディーラー寮に居てもおかしくない奴だね。ちなみに、彼のお父さんはアレクサンダー・ホールダー…銀行の頭取にして、この学校の理事長代理も務め、父兄の取締りを行う方だ。」



「…そんな人の息子がすぐに学校を辞めてしまったの?」


「そういうことになるね。たぶん病気などではないだろうな…それなら取り立てて隠す必要はないだろ?何かしでかしたんだろうな。」



「いったいどんな悪事をすればそんなことになるんだよ…。」







ワトソンもオーストラリアにいた頃に、肌の色を違う子をいじめていた奴らを殴り、金持ちだったいじめっ子の親にお金で揉み消された口だ。




貴族社会も根強い大英帝国。



お金でも、親の権力をもってしても揉み消せないこととはなんなのだろうか。





ワトソンは本当に大変なことに首をつっこんだと頭を悩ませた。




それを見かねたホームズは静かにつぶやいた。




「親が助けなかった…ということだよワトソン。残念ながらそういうことだ。」




「…そんな」





ワトソンは、悪いことをしたのかもしれないアーサーだが、親族に見捨てられたことを思うと少し寂しい気持ちになった。





「だけどこの事件がひっかかるのは、
『十分に権力と金のある親が助けなかったレベルの何かが起きて、アーサーは学校に来れなくなった。』
と考えるのが妥当だけど…それだけのスキャンダルがあれば噂がたっていてもおかしくない、そう思わないか?」



「たしかに、それだけのこと耳に入らないわけないよね。」



「ギメイはその、いわく付の部屋に入居して難なく過ごしている。…彼とレストレードはたぶんこの事件を知っているな。
―…少しずつ話が見えてきそうだ。
ワトソン、君の出来事も聞いていいかい?見たままに話してくれ。」






「…キミに言われた通り、レストレードとギメイの部屋へ向かったよ。間取りは僕たちの部屋にそっくりだった。」





ワトソンは頭に手を当てて一つ一つ思いだすように話をした。




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