Secretstory
□SecretstoryT
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シャーマンは彼の顔を見るなり泣きそうな顔をした。
「ワトソン、ホームズ…よってたかって女の子に嫌がらせをするとはどういった了見だ?
その子は私のガールフレンドだ。事と次第によっちゃ容赦しないよ?」
ギメイは本気だった。
(…―ガールフレンドねぇ…)
「ち、違うんだ!ギメイ。落ち着いて」
冷静なホームズの傍らでワトソンは気がきでなかった。
ただ歩みよってくる彼の威圧感。モリアーティーの苗字も伊達じゃないというような勢いだった。
「ホームズ…だったかな。ソレは私のだ、気安く触らないでくれ。何せ危険物だから寮には置いておけない。だから彼女にあずかってもらってたんだよ。」
「ガールフレンドに危険物を?ひどいことをする。」
ホームズとギメイの間の火花が今にも具現化しそうな勢いでにらみ合った。
「私が気付かないとでも思ったか?私をかぎまわっていたのは君たちだろう。」
「…悪かった。君がいろんな女をたらしているって相談があったもんでね。」
「私が?シャーマン以外にそういった関係の者はいないよ。」
「ナマエ・ミョウジ。知らないとは言わせない。」
「…ああ、彼女はシャーマンの同室だからね。時折シャーマンの言伝を伝えに行ったりはしてるかな。やましい関係じゃない。」
そうギメイが答えるとホームズが持つ剣を奪い取った。
「それ日本刀だろ?」
「日本刀?」
ホームズの言葉にワトソンが尋ねるとギメイが変わりに答えた。
「小さな島国の人斬剣だよ。強度、切れ味はともに世界でトップクラスだ。」
「ひ…とき…」
ワトソンは口をひきつらせた。
「ギメイ・モリアーティー、君がなぜそんなものを持ってる。…君、日本人なのか?」
「それは君の推理のしどころじゃないか?ホームズ」
ギメイはそう答えると鞘から刀を抜いた。
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