Secretstory

□SecretstoryT
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―――クーパー寮






「…おかえり、ギメイ。
今日もダメだったんだね」


深夜11時を回った頃にレストレードの部屋の扉を開いたのはギメイだった。



「……ああ、それどころかロイロットに見つかったかもな」

「なんだって!!」



大丈夫なのかと椅子から腰を上げるレストレードにギメイは明るくふるまった。



「まいったねー。まぁそこで捕まる私ではないさ。…たぶん大丈夫だろう。遠くから見ていたし、日も落ちて暗がりになりかけてたしね。」


「なんだってロイロットはそんな時間に…」




レストレードが眉根を寄せているとギメイは意味ありげに口元を上げた。




「いいかい、レストレードくん。世の中には奇妙なことで満ち溢れているんだよ。」


「なんだよそれ。ホームズのマネ?」




演劇役者のように言うギメイにレストレードは笑いをこぼした。



「知らなくてもいいことがある。って言ってるんだよ。」





そう言いながらギメイはレストレードのベットに潜り込んだ。



「…おい、ギメイ…っ」


「今日はここで寝る。最近は英国も寒いからね。」




そのギメイの言葉の意味に
レストレードは耳まで赤くすると
全力でギメイをたしなめた。






「バカ!!もし見つかったらどうするんだ!変な噂まで流れるだろうが!!!!」


「声が大きいよゴードン。…たまにはいいじゃないか。親友だろ。」


「…」




冷静に切り返すギメイにレストレードは不満げにギメイを見つめた。




「親友の前にボクも男なんだけどな」


「なら尚更、英国紳士らしくしておきなよ。」




ブスリとギメイにとどめを刺されたレストレードは読みかけの本をしまい、狭くなったベットにボン!と乱暴に横たわった。




「そんなふてくされないでおくれよ。お礼ぐらいはしてあげるから。」


「…」

背中を向け、ふてくされ黙るレストレードの大きな背中にギメイはぴたりと身を寄せた。


寒い冬の夜、だんだんお互いの体温が調和し眠りへといざなわれるのはすぐのことだった。


「おやすみ…ゴードン」


もうふてくされてなど居なかったが、
睡魔と安堵感にレストレードは少し身をよじらせて、自分の体に回されたギメイの手を少しだけ握りかえして応えた。





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