長編 悪魔の万華鏡

□続 万華鏡
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『メフィスト…これ…みて…』
胸騒ぎがした。永遠に可愛を失う。
天を指差し瞬きもせず見つめる。
『可愛、帰りましょう』
可愛の話を聞きたくない
可愛の指差す先を見てはいけない。
私は可愛の体を抱きかかえ、祭壇から降ろす
『メフィスト…聞いて…』
『はい。話なら屋敷で聞きます』
『違…今…ここじゃないと…』
『………』
可愛のこんな悲しげな顔は何10年ぶりだ…
胸が痛んだ。せっかく長い時間をかけ築いた関係が壊れゆく音がした。

無言で歩く。
外は凍りつくように寒い。
さっきまで手を繋ぎ…外の寒さなど感じなかったのに…
抱きしめているのに可愛が遠く感じた。
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