長編 悪魔の万華鏡

□万華鏡
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可愛は人間だ。
私が生きる世界とは別の世界の人間だと言ってた。
可愛と初めて会ったのは雪が舞う12月だった。
私は仕事を終え屋敷へ向かった。
門の前に小さな人影がある。
客人か…?私はその人影に近づいた。そこには夏に着るような白いワンピースを着た娘がいた。
胸の下まである長い髪。
長い睫毛。美しい瞳。
まるで人形のようにしい女性。
私は息を飲んだ。

『…メフィ…スト…』
その娘が私の名を呼ぶ。しかし私の長い時間の中に彼女の記憶はない。
『…貴方は誰です?私の事をご存知で?』
『……』
『…申し訳ないのですが…私は貴方に心当たりがございません…』
私の言葉に娘は悲しげな顔をした。
『ここは冷えます…よければ中に入りませんか…?』
私はその娘を屋敷に入れた。
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